パスワード管理の強化は、セキュリティ対策の基本だ。ゾーホージャパンの調査からは、その基本の取り組みが十分に進んでいない実態が見えてきた。
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攻撃者の間でもAI活用が広がる中、企業の情報資産を狙うサイバー攻撃は巧妙化している。2026年7月に成立した改正個人情報保護法は、違反行為に対する課徴金制度を新設した。こうした変化を受けて、情報資産を守る取り組みがあらためて重要になっている。
企業にとっては、まずは情報資産へのアクセスを適切に管理する必要がある。その第一歩となるのが、利用者本人であることを確認する認証だ。一般的な業務システムは、パスワードによる認証を前提としている。パスワードを適切に管理し、使い回しを防ぐことは、情報漏えい対策や法令順守の観点からも欠かせない。
こうした中、ゾーホージャパンは2026年6月30日、「企業のパスワード管理に関する実態調査2026」の結果を公表した。調査期間は2026年5月下旬〜6月上旬。日本国内で業務においてIDやパスワードを使用するビジネスパーソン1219人を対象に実施した。調査からは、企業におけるパスワード管理の課題が浮き彫りになった。
調査では64.9%が、業務で利用するサービスおよびシステムの一部または大半で、パスワードを使い回していると回答した(図1)。職位別では、一般社員が58.8%、管理職が69.5%、経営層が66.5%で、一般社員よりも管理職や経営層の方が使い回しの割合が高かった。使い回しの理由については、経営層の約6割が「管理が面倒」だからだと回答した。
法人向けパスワード管理ツールを「導入していない」と回答した割合は53.6%に上った(図2)。職位別では、一般社員が45.3%、管理職が56.3%、経営層が59.3%。未導入の理由では「必要性を感じていない」が29.6%で最も多く、次いで「現状の管理方法で問題が起きていない」が25.6%だった。
従業員の退職や異動に伴う共有アカウントのパスワード変更と、アクセス権の棚卸しの状況について尋ねたところ、「取り組みは属人的で統一されていない」が14.1%、「ほとんど実施していない」が20.3%、「分からない」が16.8%となり、これら3つの回答を合わせると過半数に上った。「過去3年以内に、退職した同僚のアカウントが退職後も共有状態のまま残っていたことがある」との回答は約1割だった。
パスワードポリシーを明文化して周知しているとの回答は、30〜99人規模の企業では25.3%にとどまった一方、500〜999人規模の企業では44.6%となった。企業規模が小さいほど、パスワードポリシーの明文化や周知が進みにくい傾向が見られた。法人向けパスワード管理ツールについては、30〜99人規模の企業では未導入率が61.6%と最も高く、企業規模が小さいほど導入が遅れている実態が明らかになった。
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