AIエージェントなどの自律型AIへの投資を増やす企業は9割に上る。ところが成果を生み出す段階に到達した企業は、わずか7%にとどまる。投資と成果にこれほど差が生じるのはなぜか。調査結果から理由と対策を探る。
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データインフラベンダーのTeradataは2026年7月7日(米国時間、以下同じ)、AIエージェントなどの自律型AIの企業導入に関する調査レポート「Arrested Automation: Why Agentic AI Stalls at the Enterprise Level」を発表した。従業員500人以上の企業に勤務する、バイスプレジデント(VP)以上のテクノロジーおよびデータリーダー1000人を対象にした調査結果をまとめたものだ。
自律型AIへの投資意欲は高い。調査では回答者の90%が、今後12カ月間で自律型AIへの投資を増やすと回答した。一方で63%は、自律型AIへの投資から得られているリターンは「小規模または初期段階にとどまる」と答えた。
活用の成熟度は、投資に追い付いていない。Teradataは、回答者が所属する企業の、自律型AI活用の成熟度を4段階で分類した。最終段階の「運用」(自律型AIが測定可能なビジネス成果を創出している段階)に到達している企業は、わずか7%だった。68%は、「実験」「開発」といった活用の初期段階にとどまっていたという。
自律型AIへの投資を増やす企業が9割に上る一方で、成果につなげている企業が限られるのはなぜなのか。その背景には、自律型AIの成果創出を阻む障壁がある。
最大の障壁としてTeradataが挙げるのが、データに関する「文脈の断片化」(Context Fragmentation)だ。自律型AIが企業のデータを活用し、推論や判断をするには、そのデータの意味や出どころ、他のデータとの関係性といった背景情報が必要になる。こうした情報を十分に整理できておらず、AIがデータを適切に解釈、利用しにくい状態が文脈の断片化だという。
調査からは、文脈の断片化を裏付ける実態も明らかになった。回答者の77%は自社のデータのうち、自律型AIが信頼して利用できるほど、意味や背景が十分に明確になっているデータは「20%以下」だと答えた。自律型AIが企業全体の情報を踏まえて推論できるように、複数の部門にまたがるデータや知識をまとめて利用できるようにすることについて、「難しい」と答えたのは78%に及んだ。
Teradataは、自律型AIの出力先が、日常的に利用する業務システムではなく、別個のダッシュボードなどになりがちなことも課題に挙げる。この場合、自律型AIの知見を実際の業務で使うために別途人手を介することになり、具体的なアクションにつながりにくくなるという。
文脈の断片化によるデータへの信頼不足は、ITインフラに関する意思決定にも影響する。回答者の60%は、長期的なITインフラの意思決定で「決定まひ」(決断できない状態)に陥っていると回答した。その背景として、AIを支えるデータやシステムへの信頼不足があると、Teradataは説明する。
自律型AIを生かすためには、データの意味や背景、関係性などをAIが扱えるようにする「文脈化」が必要だとTeradataは指摘する。ただし全てのデータを一度に文脈化するのではなく、まず構造化データか非構造化データかを問わず、ビジネス価値の高いデータ資産を特定し、その意味や背景、関係性を整理することから始めるとよいという。
今回の調査は調査会社Wakefield Researchへの委託によるもので、2026年3月23日から4月5日に実施した。対象は米国500人、日本と英国、フランス、ドイツ、サウジアラビア各100人だ。
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