「Windows 10」のサポートが2025年10月14日に終了してから約10カ月がたった。だがIT資産管理ツールを手掛けるLansweeperによれば、一定のWindows 10搭載端末が依然として企業内で稼働している。稼働台数が減っているとはいえ、企業のIT担当者はこの状況を軽く見てはいけないという。どのような事情があるのか。
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Microsoftが2025年10月14日に「Windows 10」のサポートを終了してから、約10カ月がたった。どれくらいの端末がまだWindows 10で稼働し続けているのか。「Windows 7」など過去のバージョンの例に漏れず、一定のWindows 10搭載端末が残り続けている。
IT資産管理ツールを手掛けるLansweeperが、自社のツールを介して数百万台の資産データを調査したところによれば、Windows 10搭載端末が全Windows搭載端末に占める割合は、2026年6月に20%を切る程度まで減った。残りのほとんどは簡単には移行できない端末に限られているとみられる。詳細は以降でまとめる。
多くがWindows 11に移行済みだとしても、Windows 10の端末が社内に残り続けるリスクは重く見なければならないとLansweeperは指摘している。Windows 10などサポート切れのOSを搭載する端末が残り続けることが、どのようなリスクをもたらすのか。現状の移行状況と併せて見てみよう。
Lansweeperは2026年7月14日、Windows 11への移行状況と、Windows 10搭載端末が残存するリスクを分析した結果を公開した。このデータによれば、Windows搭載端末に占めるWindows 11の割合は78.8%で、Windows 10は16.9%だった。およそ6台に1台がWindows 10になる。
2025年半ばに、Windows 10の割合は約50%だった。それが2025年10月のサポート終了を経て、2026年6月には約18%まで下がった。しかし、その期間で移行しやすい端末の入れ替えが一巡した後は、Windows 10の減少がほぼ止まった状態だ。残っているのは、移行できない、あるいは移行したくないために移行していない端末になっているとLansweeperは分析する。
Microsoftは、Windows 10のセキュリティ更新を延長して提供する拡張セキュリティ更新(ESU)を用意している。ただしこの提供は2027年10月12日までで。一時的な延命策となる。
残存する端末の割合は、企業規模によって差がある。中小企業(SMB)では、Windows端末の21.4%がWindows 10で稼働しており、大企業の16.6%を上回っている。Lansweeperによれば、大企業ではサポート切れのOSがもたらすリスクへの対応が進む一方、中小企業では移行コストが障壁になっている。一部のWindows 10搭載端末は2027年まで残る可能性がある。
業種別の差はさらに大きい。ヘルスケア・製薬が23.0%、消費者向け・小売りが22.7%、製造が18.0%と高く、テクノロジー・通信は12.2%にとどまる。背景にあるのは制御技術(OT)の存在だ。長期間使う認証済みの機器や物理的に組み込まれた機器では、OSが装置と一体化しており、簡単に入れ替えられない。
Windows 10とWindows 11では、抱えている脆弱(ぜいじゃく)性の数が明らかに異なる。Windows 10搭載端末は平均1903件のアクティブなCVE(共通脆弱性識別子)を抱えており、Windows 11の652件の約2.9倍に上る。Lansweeperは、Windows 11では脆弱性の修正が続く一方、サポートが終了したWindows 10では修正されないため、今後さらに差が広がると指摘する。
問題は脆弱性の数だけではない。Windows 10のアクティブなCVEのうち66.6%が「高」または「緊急」に分類され、そのうち2.4%は実際に悪用が確認されている。悪用が確認された脆弱性の割合は、Windows 11の約1.7倍になる。
サポート終了後は、こうしたリスクがさらに高まる可能性がある。攻撃者はまずWindows 11向けに公開された修正内容を解析することで、Windows 10の脆弱性を効果的に調べることができる。同じ欠陥はWindows 10にも存在する可能性がある。Windows 11では修正済みでも、サポートが終了したWindows 10では脆弱性が残っている可能性があるのだ。
問題は技術的なリスクにとどまらない。IT・セキュリティの責任者にとっては、法令順守や賠償責任、保険の問題にもなる。「PCI DSS 4.0」はカードデータを扱う環境の全システムにベンダーのサポートが有効であることを求め、「ISO 27001:2022」はサポート切れのシステムを脆弱性管理の不備と見なす。「NIS2」は文書化した脆弱性対応を求め、罰金と経営層の個人的な責任を科す。
サイバー保険も同様だ。「本番環境でサポート切れのOSが稼働しているかどうか」は今や標準的な質問となり、稼働していれば契約を断られることもある。サポート切れのシステムを補償対象から明示的に外す保険も増えており、Windows 10の脆弱性に関わる被害は補償されない場合がある。
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