Mozillaは、Firefox 157において次世代画像フォーマット「JPEG XL」を正式採用する方針を明らかにした。Googleが開発したRust製デコーダーを採用する。Google Chromeの開発チームも同様の意向を示しており、2026年内にも主要ブラウザで「JPEG XL」が広くサポートされる見通しだ。
Mozillaは2026年8月24日(米国時間)、同社が開発するブラウザ「Firefox」において、次世代画像フォーマット「JPEG XL」(JXL)を正式採用する方針を明らかにした。「Google Chrome」の開発チームも同様の意向を示している他、「Safari」には先行して一部機能が実装されている。業界の主要プレイヤーが足並みをそろえ、2026年内にも主要ブラウザでJPEG XLが広くサポートされる見通しだ。
Web標準の画像フォーマットの歴史を振り返ると、2000年代までは「JPEG」「GIF」「PNG」という規格が中心だった。2010年代に入り、Google主導で開発された「WebP」が登場してJPEGからの緩やかな移行が進んだ。そして2020年代に入ると、2つの規格として「AVIF」とJPEG XLが登場している。
Mozillaは2021年にAVIFを先行してFirefoxに採用したが、JPEG XLの正式採用に対しては慎重なスタンスを示した。その理由は、セキュリティリスクだ。当時提供されていたデコーダーはマルチスレッドで動作する約10万行のC++コードで構成されており、複雑かつ広大なコードベースによりブラウザの攻撃対象領域を著しく広げるため、脆弱(ぜいじゃく)性のリスクを高める懸念があった。
そこでMozillaはGoogle ResearchのJPEG XL開発チームに、メモリ安全性に優れたプログラミング言語「Rust」を用い、安全かつ高性能なデコーダーを構築するよう提案した。これに応えたGoogle Researchは新たなRust製デコーダー「jxl-rs」を開発。FirefoxにおけるJPEG XLサポートは、このjxl-rsを中核として実現されている。
先行して2023年にJPEG XLに対応したSafariと異なり、Firefoxへの実装で注目されるのが「プログレッシブレンダリング」のフルサポートだ。これはデータのダウンロード進行に合わせて画像を段階的に描画する技術だ。
例えば135KBの画像の場合、全体のわずか数%に相当する数KBを受信した段階で、ユーザーは被写体の輪郭や構図を判別できるようになる。データ受信量が50%に達する頃には大部分が鮮明に表示され、100%で完全な解像度に達する。
回線速度が不安定な環境下でも、ユーザーは画像全体のダウンロード完了を待つことなくコンテンツを把握できるため、Webサイトにおける体感速度の向上や離脱率の低下に直結する。
主要ブラウザにおいてAVIFとJPEG XLの両方が利用可能になることで、Web開発者は用途に応じて2つのフォーマットを使い分けることができるようになる。Mozillaは、両フォーマットの特性を理解した上での使い分けを推奨している。
写真データを画質劣化なく圧縮する場合、JPEG XLのファイルサイズはAVIFやWebPを大きく下回る。加えて、既存の大量のJPEG画像を劣化させることなく再圧縮して容量を削減できる点や、先述したプログレッシブレンダリングの存在も強力なアドバンテージになるという。
非可逆圧縮におけるファイルサイズの削減という点では、依然としてAVIFに優位性がある。写真画像やUI(ユーザーインタフェース)のスクリーンショットなどをWeb表示向けの品質で圧縮する場合、AVIFはJPEG XLよりもはるかに小さなファイルサイズを実現する。一般的なWebサイトの日常的な画像配信であれば、AVIFが選択肢になるとMozillaは説明している。
Mozillaは、自社のWebサイトで扱う代表的な画像群を用いて実際のユーザー環境に最適な品質設定をテストすること、そして高密度(高DPI)ディスプレイ向けに適切な解像度設計と最適化をすることの重要性も指摘している。
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