ヤンマーHDが「バラバラな形式のデータをExcelで突合」から脱却 どう実現したのか?事業会社ごとに別々のシステムを維持しつつ、“データの抜け漏れ”を防ぐ

事業会社ごとに基幹システムが異なるヤンマーHDでは、グループ横断でデータを扱う際に手作業の突合が発生していた。データの抜け漏れなどのリスクがある中、システムを統一せずに、こうした状況をどう改善したのか。

» 2026年09月01日 08時00分 公開
[@IT]

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 農業機械や建設機械、船舶用エンジンなどを手掛けるヤンマーホールディングス(以下、ヤンマーHD)は、グローバルに事業を展開し、さまざまな事業会社を傘下に持つ。各社のビジネスモデルは異なることから、ヤンマーHDはグループ全体で基幹システムを1つに統一せず、事業会社ごとに適した基幹システムを導入・利用する方針を採用している。

 事業会社各社のサプライチェーンは、事業や国をまたいで複雑に絡み合っており、在庫状況の正確な把握が難しくなっていた。各社が異なる基幹システムを利用していることから、システム間でデータの形式も異なり、現場では複数のシステムからデータを取り出して「Microsoft Excel」(以下、Excel)などの表計算ソフトウェアで突合することもあったという。そのためデータの抜け漏れや、正確なデータに基づかない意思決定のリスクが顕在化していた。

基幹システムを統一せずに「形式が異なるデータ」をどう扱う?

 ヤンマーHDは、事業会社ごとに別個の基幹システムを維持しつつ、こうした課題をどう解消したのか。

 異なる基幹システムに分散するデータを横断して扱いやすくするために、ヤンマーHDはデータそのものではなく、データの定義や意味を示すメタデータを整理し、データカタログとして管理することにした。その手段として同社が導入したのが、Quollio Technologiesのメタデータ管理・データカタログ製品「Quollio Data Intelligence Cloud」(以下、QDIC)だ。

 QDICの選定では、メタデータやデータカタログの情報を外部から取得・登録できるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の充実度を評価した。従量課金制ではなく長期的なコストを見通しやすいことや、検討段階から専門的な伴走支援を受けられること、国内ベンダーであることによるビジネス課題への理解力も採用を後押しした。

 ヤンマーHDはQDICの導入後、ベンダーであるQuollio Technologiesとの間で定例ミーティングを実施した。ミーティングでは、業務に即したタグ付けのカテゴリーや整備のステップについてQuollio Technologiesからの提案を受けながら、メタデータやデータカタログを整備した。

 各基幹システムのデータについて、ヤンマーHDは実績計上のタイミングや在庫区分などの定義をメタデータとして整理し、データカタログにまとめた。その結果、Excelによる手作業での突合を中心とした従来の方法と比べて、必要なデータやその定義について、これまでよりも短い時間で確認できるようになったという。

 今後は在庫管理などのサプライチェーンマネジメント(SCM)に加えて、製品別連結損益の把握やタレントマネジメント(人的資本の可視化)などにもデータカタログの活用範囲を広げる。AIがデータを正しく理解できるようにするための手段としてQDICを生かし、生成AIやAIエージェントといったAI活用の取り組みも広げる考えだ。Quollio Technologiesが2026年7月24日に、本事例を発表した。

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