サポート窓口が多過ぎて情シスが疲弊――JA共済連は“ソブリンクラウド”でどう解消?4万5000人が日常的に使う情報系システム、運用負担をどう見直した?

JA共済連の情報システム部門は、約4万5000人が使う情報系システムでトラブルが起きるたびに、どのベンダーサポート窓口に連絡すべきかを判断する手間が掛かっていた。その負担をどのように解消するのか。

» 2026年09月21日 11時00分 公開
[@IT]

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 JA(農業協同組合)グループで共済事業を担う全国共済農業協同組合連合会(以下、JA共済連)は、各地域における共済の契約実績を情報系システムで可視化している。共済契約者向けインターネットサービス「Webマイページ」への登録数など、契約者に関するデータの分析にも情報系システムを利用する。JA共済連の全国本部や県本部、JAの職員約4万5000人が、日常的にこの情報系システムを使用しているという。

 情報系システムの運用や保守は、JA共済連の情報システム部門が中心となって担ってきた。課題になっていたのが、ベンダーサポートの問い合わせ窓口の複雑さだ。クラウドサービスやミドルウェアなど、システムを構成する製品・サービスごとに問い合わせ窓口が分かれていたことから、障害などのトラブル時にどこに問い合わせるかを判断する手間が生じていた。

 蓄積したデータの活用にも課題があった。従来のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールでは、データ分析に一定の知識や経験を要していたからだ。より多くの職員が情報系システムのデータを活用するには、知識や経験への過度の依存を抑える必要があった。

情シスを悩ませた“問い合わせ窓口の分散”問題、どう解消?

 こうした課題を踏まえて、JA共済連はITインフラを含む情報系システムの刷新に着手した。新システムは、データの主権や機密性などを重視するクラウドインフラ「ソブリンクラウド」を中核として構築するという。具体的にどのようにシステムを構築するのか。

 JA共済連は、新しい情報系システムのインフラとして、富士通の「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」を採用した。Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloyは、データの所在やアクセス、運用管理をユーザー企業の要件に合わせて管理できるソブリンクラウドサービスだ。

 Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloyは、Oracleの「Oracle Alloy」をベースにしている。Oracle Alloyは、Oracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の各サービスを、クラウドベンダー各社が自社ブランドで提供するためのシステムパッケージだ。クラウドベンダーはOracle Alloyを利用することで、規制やデータ主権などの要件に合わせて、各OCIサービスを自社ブランドで提供できる。

 併せてOracleのBIツール「Oracle Analytics Cloud」を採用した。Oracle Analytics Cloudは、データの検索や分析にAIを活用できるBIツールだ。AIを使ってデータを自然言語で検索するなど、必要な情報や分析結果の抽出を支援する。

 ソブリンクラウドサービスのFujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloyであれば、共済事業のデータを国内で管理できるとJA共済連は判断し、採用に至った。富士通は同社の国内データセンターで、Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloyを運用している。

富士通が設計から運用、保守、サポートまで一貫して担う

 Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloyの導入に伴い、インフラの設計から運用、保守、サポートまで富士通に一貫して任せることで、JA共済連はこれまで分かれていた問い合わせ窓口を一本化する。バージョンアップや障害が発生した際、問い合わせ先を都度判断する手間をなくす。

 JA共済連はバージョンアップ作業をはじめ、システム運用のさまざまな面で富士通の支援を受ける。富士通の専任担当者に性能評価やセキュリティ分析を任せる他、クラウドサービスの運用やサポートに関して富士通が蓄積してきた知見も生かし、負担を抑えつつ安定的な運用を図る。加えてOracle Analytics Cloudの導入で、より多くの職員がデータを活用しやすくする。

 JA共済連は今後、情報系システムを安定的に運用しながらデータ分析に活用し、共済事業における保障制度の安定的な提供につなげる。富士通の支援を受け、経営層や営業現場におけるデータに基づく意思決定の高度化も目指す。富士通は2026年8月18日、本事例を発表した。

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