「APIキーを守る」ではなく「AIエージェントに渡さない」――Postmanが発表した新アプローチ:新たなAPIアクセス管理基盤

AIエージェントが外部サービスを利用するには、APIへのアクセスが欠かせない。一方、APIキーやトークンなどの資格情報をAIエージェントに持たせれば、漏えいや意図しない利用のリスクも生じる。Postmanは、実際の資格情報を開発者やAIエージェントに渡さずにAPIを呼び出せる仕組みの提供を開始した。

» 2026年09月29日 15時00分 公開
[@IT]

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 生成AIやAIエージェントを使ったシステムでは、外部のサービスやデータを利用するためにAPIを呼び出すケースがある。その際、APIキーなどの資格情報をAIエージェントが扱うことになれば、その管理が新たな課題になる。

 そうした中でAPI開発プラットフォームを提供するPostmanは2026年9月15日(米国時間)、APIアクセスを管理する「Passport by Postman」(以下、Passport)の一般提供を開始した。

「APIキーを守る」ではなく「渡さない」――その仕組みは?

 Postmanによると、実際の資格情報が開発者の端末に渡ると、「.env」ファイルやソースコードリポジトリ、チャットツール、IDE(統合開発環境)の設定、CI(継続的インテグレーション)のログなどに拡散する可能性がある。AIエージェントによるAPI利用が増えれば、管理対象となる資格情報やAPI呼び出しも増加する。

 Passportの特徴は、APIキーやトークン、シークレットといった実際の資格情報を、APIを利用する開発者やAIエージェントに直接渡さないことだ。どのような仕組みなのか。

 Passportでは、実際のAPIキーなどをユーザー企業のVPC(Virtual Private Cloud)やVault(資格情報などを保管する仕組み)内に保持する。

 その代わりに開発者やAIエージェントに渡すのが「参照トークン」(reference token)だ。参照トークンはリクエスト元のアイデンティティーにひも付けられた暗号化ポインタで、実際のAPIキーそのものではない。

 APIへのアクセス時には、設定されたルールに基づいてリクエストを検証する。許可するアクションだけでなく、接続先のホストやパスまで指定して権限を設定できる。

「Passport by Postman」の仕組み。API資格情報をVPCやVaultに保管し、開発者やAIエージェントに直接渡さずにAPIアクセスを可能にする 「Passport by Postman」の仕組み。API資格情報をVPCやVaultに保管し、開発者やAIエージェントに直接渡さずにAPIアクセスを可能にする(提供:Postman)

AIエージェントには「タスク単位」のアイデンティティー

 AIエージェントの利用を想定したアクセス制御機能も備える。

 AIエージェントには、永続的な親アイデンティティーを基に、一時的かつ実行するタスクの範囲に限定したアイデンティティーを発行する。これにより、長期間利用できるシークレットをAIエージェントに配布せずにAPIへのアクセスを認められるという。

 AIエージェントが別の「サブエージェント」を利用する場合には、親となるエージェントが持つ権限の一部だけを継承させることもできる。

 PostmanはPassportによって、人間の開発者とAIエージェントの双方について、誰がどのAPIを呼び出したのかを追跡しながら、APIへのアクセス権限を細かく制御できるとしている。

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