Microsoftは「Visual Studio Code 1.143」を公開した。新しいセッションのデフォルトをCopilotハーネスに切り替えた他、同じコーディングタスクを複数のモデルで並行して実行し、結果を比べて組み合わせるプレビュー機能などを追加した。
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Microsoftは2026年10月、コードエディタ「Visual Studio Code」(VS Code)のバージョン1.143を公開した。
Copilotハーネスを新しいセッションのデフォルト(既定)にした他、複数のモデルの結果を比べるプレビュー機能、モデルを手元のデバイスで実行する実験的機能、使わなくなったワークツリーのストレージを解放する実験的機能、変更したファイルの間を移動しやすくする実験的機能などを追加した。
AIエージェント活用の現場でAIモデルによるツールの呼び出しや実行手順を管理するハーネスの重要性が高まっている。VS CodeのCopilotハーネスは、「GitHub Copilot」の製品群で動作、機能、改善をそろえるための共通基盤「Copilot SDK」で構築するハーネスだ。VS Codeでは、新しいセッションのデフォルトとして使われるようになった。
Copilotハーネスのセッションはバックグラウンドで動かし続けることができ、VS Codeのエディタウィンドウと「Agents」ウィンドウのどちらからでも開ける。
Copilotハーネスのチャットは、組織が管理するデフォルトのモデルを使う。ポリシーでCopilotハーネスが必須のときは、「Local」ハーネスが選択メニューで無効になる。組織が必要とするエージェントプラグインは、Copilotハーネスのセッションで使う前に自動でインストール、更新される。
Copilotハーネスのセッションで、エージェントが切り離して動かすバックグラウンドのシェルの出力も表示できるようにした。
プレビュー機能の「Compare model results」は、「異なるモデルとハーネスが同じコーディングタスクにどう取り組むか」を比べる機能だ。複数の試行を並行し、結果を確認してアイデアを一つの解決策に統合できる。Agentsウィンドウで設定「sessions.chat.compareAgents.enabled」を有効にし、モデルの選択メニューで「Compare Models」を選ぶと使える。
まず、比較するモデルを2つ以上選び、それぞれ独立してタスクに取り組ませる。Copilot、「Claude」「Codex」の各ハーネスを組み合わせたり、推論のレベルを変えたりできる。プロンプトを1つ入力すると、選んだ全ての試行が同時に始まる。各試行はそれぞれのセッションで動くので、アプローチを並べて比較でき、いつでもワークツリーや変更を開ける。
必要に応じて、試行を評価して解決策を推薦する「Judge」(審査役)のモデルも選べる。Judgeのスコアカードには、各試行の所要時間とトークンの使用量に加え、展開して読める根拠、検証の証拠、各試行へのリンクが表示される。その後「Synthesize」(統合)を選ぶと、推薦された試行を基に、他の試行のアイデアを取り入れた解決策を作れる。統合は、ユーザーが求めたときだけ始まる。
NVIDIAの「RTX Spark」を搭載し、最大128GBのユニファイドメモリを持つ新しい「Surface Laptop Ultra」のようなノートPCは、高性能なコーディングモデルを手元で動かせるだけのGPUメモリを備えている。
1.143では、モデルの選択メニューの新しい「On This Device」タブから「MAI-Code-1.1-Flash」(Microsoftが2026年8月に公開した軽量コーディングAIモデル)をダウンロードすると、Copilotハーネスのセッションで、デバイス上で処理しながらチャットできるようにした(実験的機能)。
デバイス上で実行した応答には「On-device」と表示され、AIクレジットを消費しない。モデルの詳細ページで「Use in Auto」をオンにすると、「Auto」が適したリクエストをデバイス上のモデルに振り分け、必要に応じてクラウドに切り替える。
使うには、モデルに対応した「llama.cpp」のビルドと、GitHubへのサインイン、96GB以上のGPUメモリを持つNVIDIA製GPUが必要だ。
使わなくなったエージェントのセッションのワークツリーを整理し、ディスク容量を解放する機能も実験的に追加した。コマンドパレットから「Chat: Open Worktree Cleanup」を実行すると、使われていないワークツリーが占める容量を確認し、不要なものを削除できる。
クリーンアップしたセッションは「完了」扱いとなり、そのワークツリーが削除される。後からセッションを復元すると、ワークツリーを再作成できる。アクティブなセッションや、実行中、入力待ち、ピン留めしたセッションは削除の対象外だ。
ソースコード管理では、コミットやスタッシュ、エージェントのセッションの変更を確認する複数ファイルの差分エディタの横に、ファイルの一覧を表示できるようになった(実験的機能)。
各ファイルには追加(A)、変更(M)、削除(D)、名前変更(R)の状態が表示され、選ぶとその差分に移動できる。
Copilotハーネスの使用時に、エディタ上でエージェントの編集を承認、却下しにくいというフィードバックを受け、ファイル単位の「ワーキングセット」も実験的に導入した。
設定「chat.editor.workingSet.enabled」を有効にすると、チャットの入力欄の上にワーキングセットが表示される。ファイルごと、または全ファイルで「Keep」を選ぶと、変更をレビュー済みにしてワーキングセットから外せる。変更内容はディスク上に保持され、エージェントが再編集すると、そのファイルが再びワーキングセットに表示される。
今後、ファイル単位の「Undo」を追加する予定だ。
自分のOpenAIのAPIキーとライブモデルを音声モードで使用できるようにした(プレビュー機能)。
サンドボックスでは、「Windows」やmacOSで動くエージェントホストで、サンドボックスの認証情報プロキシが使う証明書の信頼を管理できるようになった。
認証情報プロキシは、サンドボックス内のプロセスに本物の認証トークンを見せずに、ツールが承認されたサービスに認証できるようにする仕組みだ。
Agentsウィンドウの「Changes」ビューでは、これまで「Uncommitted Changes」(未コミットの変更)でしかできなかった変更の破棄を、「Branch Changes」「Session Changes」「Last Turn Changes」でもできるようになった。
長いチャットを開くと、履歴を復元する間、最大30秒ほどウィンドウが固まっていた問題も改善した。「macOS」上でチャットを使って3回測定した中央値では、約1150件のリクエストを含む履歴約530MBのチャットをウィンドウの起動後に初めて開くときに、ウィンドウが入力に応答しない最長時間が28.3秒から0.6秒に短くなった。
企業向けには、「OpenTelemetry」のエクスポートで使うHTTPヘッダを、管理者が動的に生成、更新できる管理設定「telemetry.headersProvider」を追加した。
エディタで強調表示する診断の上限を、1ファイル当たり500件から5000件に引き上げた。
その他の新機能は、公式サイトで確認できる。
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