人材不足が深刻化する中、限られた人員で業務を継続するための体制づくりが求められている。こうした課題に対し、金沢赤十字病院と福井大学医学部附属病院はネットワークを活用した業務体制の見直しに取り組んだ。専門人材の不足や業務負担の問題をどのように解決したのか。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
人材不足がさまざまな業界で深刻化する中、組織においては限られた人員で業務を継続するための体制づくりが課題となっている。医療業界も例外ではない。専門的な知識や技能を持つ医師の確保が難しい現場では、従来の人員配置や業務の進め方を見直す必要に迫られている。
こうした課題に対し、ネットワークを活用して解決を図ったのが、金沢赤十字病院と福井大学医学部附属病院だ。両院は、放射線科医などの専門人材が限られる中、ネットワークを活用した業務体制の見直しに取り組んだ。離れた病院間で医療画像を安全に共有し、遠隔から読影できる環境の整備を進めた。
機密性の高い医療情報を扱うこともある金沢赤十字病院と福井大学医学部附属病院の両院。遠隔業務に必要な通信の安全性と性能を備えたネットワークをどのように構築したのか。
ネットワーク機器を提供するアライドテレシスは2026年10月5日、両院が遠隔業務のためのネットワーク基盤を導入した事例を発表した。同社のプレスリリースと導入事例記事によれば、金沢赤十字病院では、CTなどの医療画像を確認して診断に必要な情報を提供する「読影」業務を、常勤の放射線科医2人が担っていた。しかし、そのうち1人が定年を迎え、従来の体制を維持することが難しくなった。同院の読影件数は月間約700件に上り、外来や救急医療を継続する上でも対応が必要だった。
一方、福井大学医学部附属病院では、地域の医療機関を支援するために医師を派遣していたが、移動に時間がかかり、院内業務との両立が課題となっていた。
両院が採用したのは、ビットブレインが提供する医療専用閉域ネットワーク「WCI(Wires Connect Intelligence)」と、アライドテレシスのSD-WANルーター「ARX200Sシリーズ」を組み合わせた構成だ。
WCIは、通常のインターネットから切り離された通信経路で医療機関などを結ぶ閉域ネットワークで、医療画像をはじめとする大容量データの共有に対応する。WCIへの接続には、アライドテレシスのSD-WANルーター「AT-ARX200S-GT」「AT-ARX200S-GTX」を採用。両製品はファイアウォールなどのセキュリティ機能を備え、AT-ARX200S-GTXは10Gbpsの高速通信にも対応する。
専任の情報システム担当者やネットワーク技術者を十分に配置しにくい医療機関でも導入しやすいよう、事前に設定を済ませたルーターを設置する方式を採用した。これにより、現場で複雑なネットワーク設定を行わずに利用を開始できるようにした。
金沢赤十字病院では、常勤の放射線科医が減少する中でも、福井大学医学部附属病院の医師による読影支援を受けることで、診療体制を維持できるようになった。一方、福井大学医学部附属病院では、医師が現地に出向くことなく読影業務を支援できるようになり、移動にかかる時間や負担を軽減できるようになったという。
情シスに「1日10〜15件の問い合わせ」 鉄建建設は根強い“電話文化”からどう脱却した?
「REST API→MCP化」で何が問題に? オリックスが探った“認証・認可とトークン消費”への対処法
「モバイル4社の5G速度、最大9倍の違い」「Wi-Fi 8は“つながらない”を改善へ」――無線通信のいまCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.