Web更新情報が手軽にとれるRSS:5分でネットがわかるシリーズ(1)(5/5 ページ)
「RSSをとる」「RSSでチェックする」など、IT企業の会話に紛れ込んできているRSSという概念。RSSの効果、技術の仕組みを分かりやすく5分で説明します
RSSの歴史と今後
では、最後にRSSの歴史と問題点、未来について解説をしましょう。
1999年、Netscape社は自社のWebサイトサービスとして「RSS 0.9」を発表しました。RDFベース作成されたので「RDF Site Summary」と呼ばれました。RSS 0.9はタイトルとその説明、URLぐらいしか対応していませんでした。なので、Netscape社は、より多くの情報を配信できるRSS 0.91を2000年にバージョンアップします。RSS 0.91は0.9の基本機能に加え、コンテンツの要約情報や更新タイミング、言語情報などが配信できるようになりました。さらに0.91ではRDFを使わずに、オリジナルのXMLを使ったので「Rich Site Summary」と名付けられました。しかし、ネットスケープ社は自社のサービスで思ったほど利益が出せなかったため、0.91を最後にRSSの開発を止めてしまいます。
その後、2000年コミュニティグループがRSS 1.0を開発し発表します。機能は0.91と似ていますが、RSS 1.0では再びRDFの形式が採用され、データ形式は0.91とはまったく違うものです。RSS 1.0は「モジュール」という概念が取り入れられ、さまざまなデータに対応できるようになりました。
しかし「RSSにRDFを使うのは向いていない」という考えや、「UserLand Software」社が並行して1.0とは別のRSSの開発に取り組んでいました。その結果、RSS 0.91をバージョンアップしたRSS 0.92(2000年)、RSS 2.0(2003年)を発表しました。
ビデオデッキのベータ・VHSのように規格は乱立し、現在のRSSのバージョンは0.92/1.0 /2.0と混在しています。先ほども述べましたが、「RSS 1.0」と「RSS 0.9x/2.0」はまったく形式が違うため、バージョンの数字が大きいからといって上位互換ではないので注意が必要です。
近年、このRSSの迷走ぶりに嫌気が差した有志により、まったく新しい「Atom」というXMLベースの新しい規格技術が開発・公開されました(当然RSSとはまったく互換性がありません)。ブログの開発ツールでおなじみの、Movable Typeを開発しているSix Apart社がAtomの支持を発表したり、Googleのブログサービス「Blogger」やGmailもAtomを採用しています。RSSの分裂・Atomの登場など今後の動きに目が離せません。
いますぐ体感しよう!
正式版の発表は未定ですが、Internet Explorer 7ではデフォルトでRSSリーダーを搭載しているので、今後はますますRSSの利用者が増えることは間違いありません。まだ使ったことのない方は、IE7がリリースされて「RSSって何?」となる前に、今日から早速RSSを利用して情報をドンドン効率的に集めていくといいでしょう。
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