ビッグデータにIoT――これからの時代に必要な「暗号プロトコル」「プライバシー」研究最前線:NICTオープンハウス2015リポート セキュリティ編(3/3 ページ)
2015年10月22日から23日にかけて、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)が研究成果を一般に発表する「NICTオープンハウス 2015」が開催された。本稿では特にセキュリティ関連の技術に注目したリポートをお送りしよう。
期間を限定して個を特定、自動車の「ビッグデータとプライバシー」
自動車の渋滞情報などを集める「路車間通信」に関しても、プライバシーを保護したままデータ処理を円滑に行う手法が紹介された。路車間通信では、単純に車両からの情報を集めようとすると、悪意ある攻撃者によって偽装されたデータが送信されるなどのリスクがある。そこで考えられるのが各自動車を「認証」する仕組みだが、車両を認証により特定してしまうと、プライバシーの問題が発生する。そこで今度は、「グループ署名」の技術を使用する方式が考えられた。車両の特定までは行わず、車両が「正当なグループに属するものかどうか」のみを検証する手法だ。しかしこの方法では、「特定の車両から連続して取得できるデータ」を活用できないという新たな問題が発生してしまった。
そこでNICTでは、「期間に依存した匿名性を持つグループ署名」を研究している。基本的にはグループ署名を用いて、ある特定のグループ全体を署名する方式をとりながら、特定の期間においてのみ、車両の同定を可能にする技術だ。
この方式では、計算量の「軽量化」が実現できるのも重要なポイントだ。実証実験ではラズベリーパイを利用しており、CPUパワーがない状況でも、現実的な計算量での実現が可能だという。
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クラウド時代の暗号化技術論(8):
まだまだ広く深い、暗号の世界――匿名認証や電子投票に利用される「ブラインド署名」「グループ署名」「ゼロ知識証明」(@IT)
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この他、NICTオープンハウス 2015では、ネットワーク部門でも多くの研究成果が発表された。ネットワーク関連の技術に関しては、別記事で紹介したので、ぜひ参照してほしい。
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NICTオープンハウス2015リポート:
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