北海道編:ポロクルでラクラク移動――実は進んでいる札幌のAI、IoT事情:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(34)(3/3 ページ)
そだねージャパン(五輪カーリング女子)の出身地北海道は、AI、IoT先進地でもありました――ご当地ライターが、リアルな情報をつづる「UIターンの理想」。北海道編パート3は、北海道への移住支援や就職、官民一体で取り組んでいる注目IT事業などをお伝えします。
移動手段のニューフェース「シェアリング自転車サービス」
前回の記事で「車はあると便利」と書きましたが、札幌駅周辺であれば公共機関による移動の方が身軽だったりもします。
そんな時に活躍するのが「シェアリング自転車サービス」です。
シェアリング自転車サービスとは時間単位で自転車を貸し出すサービスで、スマホで開錠とロックができ、コンビニなどに設置されたポートや道で乗り降りできる、1種のIoTです。
札幌駅周辺であれば札幌市が運営している「ポロクル」、中心部から少し離れた場所では、上海発祥の「Mobike」(日本上陸の1番目の都市として札幌が選ばれました)が利用できます。
通勤や通学の他、買物などの駅から離れた場所への用事にも便利ですし、札幌駅近くにある大通り公園やテレビ塔などの観光スポット巡りにも適しています。
「ポロクル」は60分108円、「Mobike」は30分50円と、どちらも手頃な料金で気軽に使えます。1カ月プランなどもありますので、日常的に自転車を使う方は、駐輪場の賃料や保険料、メンテナンス料が不要になり、コストを抑えられます。
スマホで開錠とロック、コンビニなどに設置されたポートや道で乗り降りできます。覚えておくと便利なサービスです。
AIを軸にした札幌経済の活性化
札幌は今、産学官連携でのAI(人工知能)を軸にした取り組みに注力しており、2016年に「札幌市IoTイノベーション推進コンソーシアム」を旗揚げしました。
その後連携が進み、2017年には専門部会として「Sapporo AI Lab」を設立し、AIエンジニアの育成を進めています。2017年に幕張メッセで開催された、IT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC JAPAN 2017」(以下、CEATEC)では、Sapporo AI Lab によるAI実証事業が展示されました。
この事業は、市のコールセンターの応対履歴データをAIの学習データとして使い、交通案内をテーマとするAIボットの試作が行っています。具体的には、「公共機関の交通経路に関する問合せに対し、文字による対話形式での案内を自動で行う」というものです。
Sapporo AI Labのもう1つの実証事業に、「AI俳句実証プロジェクト」があります。
AIが最も不得意とされている「感性」や「独創性」が求められる「俳句づくり」に挑戦し、AIの先進的技術開発に貢献するとともに、季語や写真といったイメージのディープラーニングには多くの札幌市民が参加しており、市民が共有する未来の文化資産創りを目指しています。
今後も、実生活や企業活動に役立つ具体的なソリューションが開発され、AI関連技術の普及に大いに役立つことが期待されます。
北海道に住むということ
3回に渡り北海道へのUIターンについてお伝えし、北海道の良さをしみじみと実感しました。
雄大な山々を見れば日ごろの小さな悩み事など忘れるくらい圧倒されます。そして、おいしいご飯と空気が当たり前にある生活の贅沢(ぜいたく)さ!
本当に北海道で生活ができることは幸せだなと感じます。
多くの方に愛されている北海道は、ITエンジニアとっても住みやすい街です。この記事をきっかけに北海道に興味を持って、好きになってくださったら幸いです。
ぜひ、北海道で会いましょう!
@IT式 U&Iターンスタイル
全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えます。Uターン、Iターン、Jターンに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
ご当地ITライター募集
現在、または元ITエンジニアかIT企業社員、かつ現在住んでいる地域へUターン/Iターン/Jターンし、記事執筆に興味のある方は、下記まで連絡ください。
- @IT自分戦略研究所 代表メール「jibun@atmarkit.co.jp」(@を半角にしてください)
- @IT自分戦略研究所 Facebookページ
- @IT自分戦略研究所 公式Twitter
筆者プロフィール
メリディアン・メディカルサービス 川喜田歩(かわきたあゆみ)
東京近郊、神戸などでエンジニアやサポートとして働いたのち、愛する札幌にUターン。4匹の猫に癒やされながら、スタートしたばかりの会社で奮闘中。
電子カルテサポート、院内サーバ設置、Web構築など、ハードからソフトまでの医療ITサービスを提供し、地域医療と密着したコミュニケーションを大事にする会社を目指し、日夜業務に励んでいます!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 北海道編:ハドソンを覚えていますか?――年収、家賃、IT企業
北海道の生活は自然との闘いなのか、IT企業やエンジニアの求人はあるのか?――U&Iターンの理想と現実をお届けする本連載、北海道編のスタートです - 北海道編:冬場の運転は「エゾ××」に注意!――札幌で働くエンジニアのオンとオフ
オンは通勤20分、オフは車で積丹半島へ――ご当地ライターが、リアルな情報をつづる「UIターンの理想と現実」。北海道編パート2は、IT企業につとめる筆者の1日と北海道の産業動向をお伝えいたします - 愛媛編:リケジョもいるよ――「新居浜高専」でロボコン出場を目指そう
大人だけなら地方暮らしもいいけれど、子どもの教育には都会が最適?――いえ、そうとは限りません。愛媛には「新居浜高専」をはじめとした、大人も子どもも学べる環境があるのです。U&Iターンの理想と現実、愛媛編Part3は「愛媛の教育環境」を紹介します - 鳥取編:ITの仕事って、ホントに田舎でもできるんですよね?
ITエンジニアならば、PCとネットワークがあればどこでも働ける――それが本当なら、もっと鳥取にIT企業があっていいはずだし、もっとITエンジニアがいてもいいはずだし、もっとITの教育機関があってもいいはず。なのに、現実は……。U&Iターンの理想と現実、鳥取編は、人口減少に悩む倉吉市で町工場を営むトライアスリートが、鳥取県の「現実」を誠実にお伝えします - 秋田編:ノマド制度を利用して地元に拠点を開設――人口減少の最先端で“余白”に挑め
小学校も中学校も1校ずつ、65歳以上人口45%超の過疎地で何ができるのか……。U&Iターンの理想と現実をつづる本連載。秋田編は五城目町の廃校を利活用したオフィスで創造的な仕事に取り組む男の奮闘記です - 宮古島編:青い空! 白い砂!――首都圏の仕事をビーチでリモートワークするという、うっとりするような選択肢
沖縄県にある離島の1つ宮古島が、エンジニアのテレワークを応援している。美しい海がある観光地では、どんな働き方ができるだろうか - 大阪編:U&Iターンを超えた「フラットな世界」へ――楽天大阪支社のグローバルプロジェクト
大阪&東京&仙台&台湾&ベトナム&インド&中国。海外を含む7拠点でバーチャルチームを組んで開発を行う「台湾楽天市場」の開発チームは、どのような工夫をしているのだろうか - 子育て中のエンジニアが、移住先選びでチェックすべき4つのポイント
ダンナが「移住する」と言いだしても、帯同するパートナーには、見知らぬ土地での子育てや人間関係などの不安があります。NPO法人マミーズ・ネットの中條美奈子さんに、地方へ移住する子育て中の家庭が抱えがちな悩みや解決策について伺いました - 長野編:仕事の「数」はある、しかし……既婚エンジニアの移住と長野のIT求人事情
仕事、家族、家、地域との関わり……移住にはさまざまな課題や心配事があります。エンジニアのU&Iターン事情をお届けする本連載、今回はこれまでのキャリアを捨てる覚悟で長野へ移住、転職、独立したITコンサルタントにインタビューしました - 島根編:就業も支援! コミュニティーも支援! 呑み会も支援! ――八面六臂の“おせっかい”ぶりを発揮する、松江のスーパー公務員トリオ座談会
「本気」と書いて「マジ」と読む――U&Iターンの理想と現実をお届けする本連載。島根編第3回は、U&Iターンエンジニアたちに大人気のスーパー公務員たちをお招きして座談会を開催しました - 沖縄編:ヤギはめったに食べないよ!――沖縄の歴史、言葉、通勤着
沖縄といえば、「ちんすこう」「シーサー」「スピード」「ビギン」「米軍基地」。でも、それだけじゃないんです。U&Iターンの理想と現実「沖縄編」のスタートです! - 岡山編:立ち乗客3人で「すげー満員じゃあ」――岡山の交通、住宅、生活事情
岡山編第2回は、交通事情や住宅情報など、移住検討者が気になる情報をセキララにレポートする - 高知編:はちきん娘がプライベートを大公開――高知の家賃、生活費
高知編 第2弾は、家賃や食費など生活面で掛かる費用について、はちきん娘(土佐弁で男勝りでハツラツとした女性)がセキララにお伝えする。高知をはじめたとした地方への移住を検討するエンジニアの参考になれば幸いだ - エンジニアは、もっと自由に働ける――U&Iターンのススメ
地方への移住を検討するITエンジニアに、全国のご当地ITライターがリアルな情報を届けるポータルサイト、それが「@IT式 U&Iターンスタイル」だ