北海道編:ポロクルでラクラク移動――実は進んでいる札幌のAI、IoT事情:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(34)(2/3 ページ)
そだねージャパン(五輪カーリング女子)の出身地北海道は、AI、IoT先進地でもありました――ご当地ライターが、リアルな情報をつづる「UIターンの理想」。北海道編パート3は、北海道への移住支援や就職、官民一体で取り組んでいる注目IT事業などをお伝えします。
北海道暮らしを体験してみませんか?
北海道は、見知らぬ土地への移住の不安が少しでも解消されるよう、「ちょっと暮らし」と呼ばれる体験移住支援制度が充実しています。
期間は1週間〜1カ月程度が大半ですが、数カ月間の長期滞在が可能な地域もあります。家具や家電付きの住宅が多く、間取りは1Rから3LDKまでとさまざま。利用料は地域により異なりますが、どこも通常の賃貸料や宿泊施設より割安に抑えてあります。中には3LDKで月1万5千円という破格の物件もあります。
札幌の近隣地域ですと、北広島や旭川の物件がお勧めです。
北広島は札幌と千歳空港の間にある、静かで緑が多く、交通の便が良い場所です。不便どころか、三井アウトレットパークという大きなショッピングモールでの買い物し過ぎに注意が必要です(笑)。
旭川は北海道のほぼ中央にある、人口約34万人の札幌に次ぐ第2の都市です。
大き過ぎず小さ過ぎず、「ちょうどいい」規模感で、充実した都市機能がそろっています。旭川ラーメンや旭山動物園、雪の美術館など食や娯楽も豊富で、暮らしやすい街です。
その他にも、夏は東京より10度涼しい気候として認知されている釧路市や、良質なパウダースノーでウインタースポーツが楽しめるニセコ町も人気が高いようです。
市区町村が提供するお試し暮らしは、体験メニューがあったり、移住者交流会に参加できたり、近所の方から声を掛けられたり、住民とのコミュニケーションが取りやすかったりすることが特徴です。
気になる地域が見つかったら、現地を知るための貴重な判断材料として、自然や生活環境などを自分の目で確かめてみるのに最適です。
興味のある地域で体験入居を行っていない場合や、誰にも気を遣わず自由に過ごしたい方は、個人でウイークリー/マンスリーマンションを利用するのも1つの選択肢です。
北海道への移住は、「完全移住」の他に、現在の住まいと北海道とを行き来する「2地域居住」や「季節滞在」などの形態があり、現役世代は2地域居住が増えているようです。いろいろな移住方法がありますので、さまざまな媒体を上手に使って情報収集し、自分の生活スタイルに合う北海道生活を満喫したいですね。
ちなみに、北海道は本州からの開拓者が築いた土地柄ということもあり、移住者への対応はオープンです。Iターンの方も安心してください。
エンジニアのスキルアップ、交流事情
居住関係も気になりますが、エンジニアが心配なのは、移住先で技術研鑽(けんさん)ができるかどうかではないでしょうか。そこで、札幌市の「スキルアップ」や「首都圏との交流」事情をお伝えします。
豊富な種類のスキルアップ研修などが連日開催されている東京と比べると、札幌で開催される一般的なセミナー類の数は少ないと言わざるを得ません。
しかしIT関連に限れば、種類も数も豊富なセミナーが開催されています。札幌市は、企業に分譲したソフトウェア研究開発型の工業団地である「札幌テクノパーク」を設立するなど、IT産業の育成に力を入れているからです。
セミナーは数多くあるので、複数の勉強会情報サイトから、エンジニアのための勉強会やイベント情報を掲載している「dots.(ドッツ)」などのサービスを使って探すと便利です。「JavaScript」などの技術ワードのタグから検索ができ、勉強会で使われた資料なども閲覧できます。IT初心者でもさまざまな分野の勉強会を発見しやすいと思います。
個人的には、さっぽろ産業振興財団が主催するセミナーは、質が高いと感じます。無料のものが多く、「生産性向上の見える化とIT利活用」や「IoTとAIで加速する経営のイノベーション」などのセミナーが定期的に行われています。
セミナー後に参加者同士が交流できる機会も多く、情報交換や人脈を広げる場としてわが社も頻繁に利用しています。2017年に参加した「生産性向上におけるIT利活用について」では、アプリの導入により生産性が向上した会社の実例紹介や、2017年から開始された「IT導入補助金」などの講義が行われ、とても参考になりました。
また、IT起業同士のビジネス交流の場を目的とした「札幌ビズカフェ」は、不定期で情報交換や交流を行っています。
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