「Webサービス」という言葉は、ほとんどのIT技術者が知る単語になりました。しかし、「Webサービスって何?」と聞くとさまざまな答えが返ってきます。これはWebサービスが多くの技術要素で成り立ち、さまざまな使い方があり、適用範囲が広いためです。そこで、この連載では、この広大なWebサービスの世界すべてを知るのではなく、最も基本となる技術を実際にプログラムを作りながら身に付けていただこうと思います。「SOAPとは何か?」「WSDLとは何か?」など、実際に自分のPCで操作し、動かしながら理解していくことにしましょう。
樋口研究室とは?
トレンドの追っかけから、技術検証まで、コンピュータに関するあらゆる分野でただ知的好奇心を満たすためだけに研究に没頭する技術集団。メンバーが運営するホームページ(以下のURL)もある。http://www.ibm.com/jp/software/websphere/developer/tips/kouza/index.html
第1回「Webサービスを試す環境を作る」では、皆さんのパソコンにAxisを利用したWebサービス・アプリケーションの実行環境を構築し、サンプルプログラムを動かしました。結構簡単に動いたので、びっくりした方も多いのではないでしょうか? 今回はこのサンプルプログラムを調査し、Webサービスの基本技術であるSOAPの動作を確認してみましょう。
SOAPはWebサービスの最も基本となる技術です。Webサービスのほとんどすべての技術は、このSOAPをベースに構築されています。それだけにSOAPがどのようなものかを知ることは技術者として重要な要素になります。
SOAPの「S」は「Simple」の頭文字です。「シンプル」と付くだけあって、SOAP技術は大変シンプルなものです。Webサービスはさまざまなベンダのさまざまなシステムで利用され、お互いに互換性を持つ必要があります。そのため、Webサービスに含まれるさまざまな技術の基本になるSOAPはシンプルかつ柔軟性を持った技術にする必要があるためです。
今回はこのSOAPがAxisによりどのように使われているかを確認してみましょう。また、SOAPでは、どのような機能が規定されているかを知り、どのくらいシンプルなのかを確認してみましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.