管理するサーバが急に落ちたらどうする? 商用のネットワーク監視ツールがあるのは知っているけど、高価すぎて予算を出してもらえません……
ユーザーの人たちがいろいろな面倒を引き起こしてくれるせいで、相変わらず大忙しの律子さんです。忙しさについ負けてしまって、特に問題も起きてないだろう、自動でアップデートしてるだろう、と前向きに考えて、すっかり日々のLANのメンテナンスがおざなりになってしまっています。人間楽な方に進んでいくものです。
そんなある日のこと。律子さんのところに、陽一さんがやって来ました。
洋一 「律子さん、うちの会社のWeb、見れないんだけど」
律子 「げっ」
洋一 「たまには見てやろうかと思ったら落ちてるんだよねえ」
律子さんの会社のWebサイトは会社案内くらいしかコンテンツがないのもあって、相変わらずアクセス数はほとんどないのですが、一応名刺にも書いてある会社の顔のようなものですので、さすがにWebサーバ今日は休み、というわけにはいきません。
何か悪いやつがわが社にも!? と、律子さんは慌ててネットワークからサーバマシンの状態を確認してみたのですが、MRTGで見る限り、ネットワーク的な問題はないようですし、Webサーバに向けてpingを打っても問題はありません。ただ、HTTPアクセスだけは受け付けてくれません。どうやら外部から攻撃を受けたり侵入を受けたりということではなく、何かの拍子にWebサーバアプリケーションが暴走か停止してしまっていたようです。
慌ててサーバを再起動すると何事もなかったかのようにWebサーバは動き出して、何とか取り繕うことができました。
ほっと一息つきながらログを見てみると、サーバは丸1日くらいサービスを停止していたようです。これはいけないなあ、偉い人にバレなきゃいいけど……。律子さんの顔が凍り付くと、そのとき図ったように部長から声を掛けられます。
部長 「Webサーバが止まってるらしいね」
律子 「えっ、ご存じだったのですか」
部長 「困ったことに社長から見えないって連絡があってね」
律子 「申し訳ありません。いまは動いてます。今後はこんなことないようにしますので」
部長 「Webが見られないと、会社がつぶれたと勘違いされるから頼むよ」
悪いのは頑張りの利かないサーバなのに……と言い訳を考えてはみたものの、やはり監視をサボっていた自分のせいだと自覚しているのでペコペコと頭を下げるよりほかはありません。十分に反省してサーバ停止の報告書を書いた後、取りあえず、博君に八つ当たりすることにします。
律子 「博君、Webサーバ毎日確認しといてっていってたでしょ」
博君 「あ、忘れてました。最近忙しいんですよ」
律子 「これだから……」
博君 「誰も会社のサイトなんて見てないからいいんじゃないのですか」
律子 「運が良かったのか悪かったのか、社長が見たらしいのよねえ」
博君 「はあ……」
今回だけならいいのですが、このままの体制では次回も見落としてしまいそうです。
見落とさないためにもデータセンターのようにモニタをたくさん並べて、たくさんの監視ソフトを駆使してリアルタイムに24時間監視したいものですが、予算も人員もありません。2人で24時間監視なんて死んでしまいます。
とはいえ、これからもいままでどおりの手動確認では、つい手を抜いて確認の間隔がどんどん開いてしまうのは間違いありません。会社も1度目はまだ大目に見てくれても、次にまた止まってしまったらクビにされてもおかしくありません。
ああ、どうしよう。律子さんは頭を抱えてしまいました。MRTGだけでサーバの状態を把握するのは難しいし、ログの確認は面倒くさいし、何か良いソフトないかなあ。
そんなことを考えながら、ちょっと一服して戻ってくると、マシンのスクリーンセイバーに文字が躍っています。
「OpManagerを使ってみてはどうですか?」
あれって、有料じゃなかったかなあ、と思いながらサイトに行ってみると、フリー版というのがありました。こいつは気が付かなかった。フリー版は機器の数が20までなら監視できるようです。部のサーバやルータだけならそんなにたくさんのノードはないし、これで十分です。
早速、律子さんはOpManegerのフリー版をインストールして使ってみることにしました。
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