連載:アニメーションで見るパケット君が住む町(1)
パケット君が「情報」という商品を運ぶ町を探検しよう


綱野衛二
Roads to Node
2009/1/21

 

1-2 商品受発注課 4階〜性格の違うTCP課長とUDP課長

 次は、商品受発注課の4階です。ここには商品受発注課の課長さんがお2人います。

TCP課長「私、TCPと」
UDP課長「UDPの2人なんだねー。あははー」
TCP課長「あいさつぐらいはしっかりしたまえ」

 性格が両極端なお2人です。お2人の役割は……。

TCP課長「私の仕事は、サービス部門から回ってきた荷物に、1. どのサービス部門から回ってきた荷物か分かるようにタグを付ける、2. 運びやすいサイズに分割する、3. あて先との荷物受取り・受け渡しの確認を行う、4. ……」
UDP課長「全部言い出したらキリがないから、それはまた先の回でいいんじゃないかなー」

 もうちょっとまとめて一言で。

TCP課長「ゴホン。つまり、荷物の受け取り・受け渡しを『正確・確実』に行う手続きをおこなうわけです。手続きを行った荷を、下の階のパケット君に渡します。そして……」
UDP課長「まぁ、TCP君の役割は要約するとソレだよねー。ちなみに僕は何もしないんだけどねー」

 性格だけでなく仕事ぶりも両極端のようですね。つまり、商品受発注課4階の役割は、

  • サービス部門から回ってきた荷物を、正確・確実に行うための諸手続きを行い、3階に送る
  • もしくは手続きなしで3階に送る

のどちらか、ということになります。

図1-3 商品受発注課4階のお仕事(右下のボタンで再生・停止ができます。Flash Playerが必要です)

1-3 商品受発注課 3階〜本名は「IPパケット」

 商品受発注課の3階には……。

パケット君「僕がいるよっ!!」

 パケット君がいます。パケット君の本名は「IPパケット」です。ルート君の本名も「IPルート」で、実は兄弟です。ほかにも3階にはARP君などもいます。彼らの役割を聞いてみましょう。

パケット君「僕たちは4階から来た荷物を」
ルート君「この世界にはいっぱい都市があるから、どの都市あての荷物か確認して」
パケット君「どこを通ってそこまで行くか、という道筋を決めてるんだ」
ルート君「ほかにもいろいろ役割はあるけど、それは僕たちがメインの回でね」
パケット君「住所の書き方とかね」

 商品受発注課の3階はTCP/IP事業部の中核とも言える場所で、彼らの仕事は。

  • 4階から回ってきた荷物を、あて先までの道筋を考える
  • 決まった道筋に沿って、荷物を2階に送る
  • そのほかの、都市間のやりとりのルールを決める
  • 住所の書き方を決める

などです。

ルート君「要約すると『都市間でどうやって荷物を運ぶか考える』役割なんだ」

図1-4 商品受発注課3階のお仕事(右下のボタンで再生・停止ができます。Flash Playerが必要です)

 彼らが、受け取った荷物をどうやって運ぶか考えていることにより「都市をつないだ物流」ができるようになり、荷物を運べる範囲が広がるわけですね。ただ、実際に荷物を「運ぶ」役割ではないようです。

パケット君「それは2階と1階の役割だよ」

 では、次はその2階を見てみましょう。


パケット君が住む町と仕事
  プロローグ〜パケット君は配送会社の会社員!
1 ホスト株式会社の仕組み〜荷物は上から下に運ばれる
1-1 サービス部門〜Webサービス+名前解決+発注
1-2 商品受発注課 4階〜性格の違うTCP課長とUDP課長
1-3 商品受発注課 3階〜本名は「IPパケット」
  1-4 2階 車両課〜イーサ配送君とパケット/ルート君の連携
1-5 1階 トラック・道路〜ハード面のルールを決める
  1-6 おさらい〜実際のネットワークに当てはめると


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