プロダクト・レビュー
スケーラビリティの高い1Uサーバ 2.性能や拡張性を重視した内部構成 澤谷琢磨 |
プロセッサは最大2基までパワーアップ可能
PowerEdge 1550では、購入時のBTOメニューにおいて、866MHz/933MHz/1GHz(いずれもFSBは133MHz)のPentium IIIから、シングル・プロセッサあるいはデュアル・プロセッサ構成を選択できる(2001年4月中旬の時点)。1Uサーバでも上位機なら、この程度のスケーラビリティを備えられるようになってきている。
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バスの「幅」と「数」が違うサーバ向けチップセットを搭載
現在、ローエンドからミッドレンジ(の下位)のIAサーバでは、旧ServerWorks(現Broadcom)製のチップセットの採用が多い。これは、Intelがこのクラス向けのチップセットをラインアップしていないことが影響している。PowerEdge 1550もまた、ServerWorks社製チップセット「ServerSet HE SL」を採用している。多くの1Uサーバが採用している「ServerSet III LE」に比べると、このチップセットには、メイン・メモリのインターリーブ・アクセスによる高速化や、複数の64bit/66MHz PCIバスのサポートといった機能強化が図られている。
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インターリーブで高速化されたメイン・メモリ
PowerEdge 1550のBTOメニューでは、メイン・メモリ用のDIMMは2枚単位でしか購入できない。これはServerSet HE SLチップセットが2枚のDIMMに対してインターリーブ・アクセスを行うためだ。そのためDIMMは2枚単位で増設しなければならないが、最大転送レートはPC133メモリの2倍である2.1Gbytes/sに高まる。サーバにとって重要なメモリのスループットを大幅に向上させているのは、大きなメリットといえる。
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3系統のPCIバスと64bit/66MHz PCIスロットを装備
PowerEdge 1550のPCIバスには、2つの特徴がある。1つは64bit/66MHz PCIという高速なバスをサポートしている点だ。デスクトップPCなどで一般的な32bit/33MHz PCIに比べ、最大転送レートは4倍の533Mbytes/sに達する。これにより、Ultra160 SCSI+RAIDによるディスク・サブシステムやギガビット・イーサネット、SAN(ファイバ・チャネル)など、サーバで利用される高速なI/OデバイスでもPCIバスがボトルネックになりにくくなる。
もう1つの特徴は、独立した3系統のPCIバスを装備している点だ。1系統のPCIバスの転送能力は、そこに接続された全デバイスで共有されるため、デバイス数が増えるとバスがボトルネックとなり、各デバイス本来の性能が発揮できない。そこでI/O性能の重要なサーバでは、複数の独立したPCIバスを設け、デバイスを分散させることでバス・ボトルネックを解消する、という技術がしばしば実装される。PowerEdge 1550の場合、2系統の64bit/66MHz PCIバスと、1系統の32bit/33MHz PCIバスを装備している。このうち64bitの方はオンボードSCSIや拡張スロットに、また32bitの方はIDEインターフェイスやグラフィックス、レガシー・デバイスに接続されている。
別々のバスに接続されている2本のPCIスロット (拡大写真:81Kbytes) | ||||||||||||
どちらも64bit/66MHz PCIに対応したスロットだが、PCIバスは別々の系統になっている。32bit PCIカードも装着可能だが、3.3Vの信号電圧に対応している必要がある。 | ||||||||||||
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フロントとリアの両方に装備されたコンソール用コネクタ
外観から気付くPowerEdge 1550の特徴の1つは、ディスプレイ・コネクタとキーボード/マウス・コネクタがフロント・パネルとリア・パネルの両方に設けられていることだ。ラックの前面と背面のどちらからでもコンソールを接続できるので、導入設定やメンテナンスのときに便利だ。デルでは、フロント側をメンテナンス用、リア側を常時接続用と想定しているとのことである。なお、それぞれのコネクタは排他利用であり、どちらか先に接続した方が有効となる(両方を同時に使うことはできない)。
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フロント・パネルに配置されたコネクタとインジケータLED | ||||||||||||
フロント・パネルのカバーを外すと、これらのコネクタやインジケータLEDが露出する。 | ||||||||||||
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リア・パネルに配置されたコネクタ | ||||||||||||||||||||||||
上の写真が、リア・パネルの真ん中の部分、下の写真が向かって右の部分である。拡張カードを2枚まで増設できることもあって、各コネクタは狭いスペースに押し込まれている感がある。その周りに開いている穴は廃熱用で、内蔵のファンにより内部で暖められた空気がここから排出される。 | ||||||||||||||||||||||||
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小型でも強力なファン4基で冷却
特に高さ方向の制限の強い1Uサーバでは、プロセッサのヒートシンクに直接ファンを取り付けるのは難しいため、その冷却には特別な配慮が必要となる。PowerEdge 1550は、デュアル・プロセッサ対応であることに加え、発熱量の大きな10000rpmのSCSIハードディスクを最大3台搭載することもあり、強力なファンを4基内蔵して冷却している。そのためか、これらのファンが発する騒音も非常に大きいのが気になった。
PowerEdge 1550内蔵のファン (拡大写真:58Kbytes) | |||
バック・プレーンとマザーボードの間にファンが並んでいるのが見える。これらのファンによりフロント・パネルから外気が吸引され、ハードディスクからプロセッサ、そしてマザーボード上のデバイスや電源ユニットなどを順々に冷却して、最後は後方から排気される。ファンの取り付けスペースは8基分あるが、マザーボード側のファン用電源コネクタは4基分しかなく、増設には難がある(メーカー側は、4基でも十分な冷却効果があると述べている)。 | |||
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PowerEdge 1550は、1Uという極薄ケースの制限下で、機能や性能、拡張性をなるべく高めることが重視されているのがうかがえる。複数台のサーバを1カ所でまとめて管理したいが、単体の性能やスケーラビリティはある程度必要、という用途に適している。たとえば、比較的負荷の重いeコマース向けのWebサーバが、これに該当する。アプリケーション・サーバも、規模がそれほど大きくなければ本機が向いている(規模が大きければ2Uサーバなど上位機の出番だ)。このように同じデータセンタ向けでも、用途に応じて、下位モデルのPowerEdge 350と本機を使い分けることになるだろう。
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資料
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PowerEdge 1550の製品情報 | |
チップセット「ServerSet」シリーズの製品情報 |
INDEX |
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[製品レビュー]スケーラビリティの高い1Uサーバ「PowerEdge 1550」 | ||
1.RAID 5にも対応可能なディスク・サブシステム | ||
2.性能や拡張性を重視した内部構成 | ||
「PC Insiderのプロダクト・レビュー」 |
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