
岡田 大助
@IT編集部
2006年9月27日
■消費者のプライバシーを守るために
特にパッシブ型のRFIDタグに期待される役割として、商品1点ごとの個品管理が挙げられます(従来のバーコードでは、商品の種類レベルまでの管理しかできません)。しかし、ICタグの種類のところでも説明したように、パッシブ型ICタグは外部から照射された電波によって起動するので、悪意のある者にICタグ内の情報を読み取られる可能性があります。
あくまでも可能性の話ですが、商品にICタグが付いたままでいると、その人が何を持っているのかを一括で読み取られることが考えられます。あるいは、その人の移動経路を不正に追跡されるかもしれません。
そこで、消費者のプライバシーを保護するためのガイドラインが定められています。国内では、2004年6月に経済産業省と総務省が協同で「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」を発表しました。
このガイドラインでは、ICタグが貼付されていることが分かるように表示することを義務付けているほか、商品が消費者に引き渡された段階でICタグの読み取りをできなくする方法を開示することを求めています。このほか、次世代電子商取引推進協議会(ECOM)でも「電子タグ利活用における事業者向け消費者保護の指針」を策定しています。
海外では、EPCglobalが同様のガイドライン「EPCglobal Guidelines on EPC for Consumer Products」を定めています。こちらも、ICタグの使用を告知すること(Consumer Notice)、ICタグの無効化や破棄を消費者に選択させること(Consumer Choice)などが求められています。
RFIDを使用していることの告知方法ですが、各標準化団体によってICタグやリーダ/ライタの使用告知マークが提案されています。
Index | |
5分で絶対に分かるRFID | |
最近話題のRFIDって何ですか? | |
さまざまなICタグとリーダ/ライタ | |
国ごとにまちまちな周波数帯 | |
2つのメジャーなRFID標準化団体 | |
![]() |
消費者のプライバシーを守るために |
関連記事 |
5分で絶対に分かる非接触ICカード |
![]() |
RFID+ICフォーラム トップページ |
- 人と地域を結ぶリレーションデザイン (2008/9/2)
無人駅に息づく独特の温かさ。IT技術を駆使して、ユーザーが中心となる無人駅の新たな形を模索する - パラメータを組み合わせるアクセス制御術 (2008/8/26)
富士通製RFIDシステムの特徴である「EdgeBase」。VBのサンプルコードでアクセス制御の一端に触れてみよう - テーブルを介したコミュニケーションデザイン (2008/7/23)
人々が集まる「場」の中心にある「テーブル」。それにRFID技術を組み込むとコミュニケーションに変化が現れる - “新電波法”でRFIDビジネスは新たなステージへ (2008/7/16)
電波法改正によりミラーサブキャリア方式の展開が柔軟になった。950MHz帯パッシブタグはRFID普及を促進できるのか
![]() |
||
|
||
![]() |
Master of IP Network 記事ランキング
- 楽天モバイルの衛星通信サービスを支えるAST SpaceMobileとは
- 「AI」でベンダー依存脱却へ、セブン&アイに学ぶ企業ネットワークでのAI活用
- 確実にメールを届けるためのSMTPサーバ設定の基本――Postfixの利用パターン3つ、main.cfの主要項目、セキュリティ設定
- 次世代AIデータセンターの能力を最大化? 1心当たり最大106.25Gbpsの伝送が可能な光ファイバー技術を慶應義塾大学が開発
- 新衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb」は「Starlink」と何が違うのか?
- SIM内蔵PCを3100台 静岡銀行がSASEで統合した新OA基盤、最大の特徴とは
- 貴社のメール送信用IPアドレスが汚れる理由――レピュテーションを高めるウォームアップの5ステップ
- 貴社で「メールが届かない」問題が起こる理由――メール送信/受信の基礎知識
- 高速性や低遅延ではない、九州電力がローカル5G「実用化」で最重視した着眼点とは?
- 2025年の企業ネットワークは「ワイヤレスの高度活用」と「電話の革新」に注目