岡田 大助
@IT編集部
2007年9月11日
■ユビキタス社会のネットワークを担う近距離無線技術
今日、非接触ICカードを使ったサービスは、交通機関や電子マネー決済などの分野で広く普及しました。また、製造分野や物流分野において、RFIDシステムの導入され始めています。このように無線を使った技術によって、社会のユビキタスネットワーク化が進んでいます。
ユビキタスとは、ラテン語の「遍在」という意味から転じて、「いつでも、どこでも、だれでもネットワークを介して情報をやり取りできる」ことを指しています。そして、上述の非接触ICカードやRFIDシステムを含め、情報の経路として使われている、あるいは有望視されているさまざまな近距離無線技術が存在します。
性能や性格が異なる近距離無線技術ですが、それぞれの長所を組み合わせる形で活用されていく傾向が見られます。例えば、NFCは互換性のない非接触ICカード技術の無線部分を規格化して、相互通信を実現するものです。RFID技術とセンサーを組み合わせるセンサーネットワークでは、無線通信部分において、アドホック*なネットワークを構築できるZigBeeが期待されています。
* ネットワーク用語におけるアドホック(ad hoc)は、特定のネットワークインフラに依存せずに、ノード同士がその場でネットワークを構築することを指す。ラテン語の「特定の目的に沿った、一時的な」という意味に由来する |
今回は、代表的な近距離無線技術として、Bluetooth、UWB、ZigBee、NFCなどを取り上げます。
Index | |
5分で絶対に分かる近距離無線技術 | |
ユビキタス社会のネットワークを担う近距離無線技術 | |
RFIDハンディリーダにも使われるBluetooth | |
米軍出身のUWBは市場でデファクト競争に | |
センサーネットに活路を見出したZigBee | |
異なる非接触ICカード技術を結ぶNFC | |
ETCに使われるDSRC、研究が始まった可視光通信 |
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