岡田 大助
@IT編集部
2007年9月11日
■5分 - ETCに使われるDSRC、研究が始まった可視光通信
ほかにも、ユビキタスネットワークの通信手段として利用できる近距離無線技術が存在するので、簡単に触れておきましょう。
特定小電力無線や微弱電波無線は、電波法で定められた免許が不要な近距離無線技術です。前者はARIB(電波産業会)の標準規格に定められた規則を順守する必要があり、適合表示無線設備には技適マークが付与されます。一方、後者は無線設備から3メートルの距離の電界強度が定められています。
有料道路の自動料金清算に使われているETCを始め、高度道路交通システム(ITS)分野では、DSRC(専用狭域通信)が活用されています。これは、5.8GHz帯を使った近距離無線技術で、変調方式にはASK(Amplitude Shift Keying)やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が採用されています。通信距離を直径30メートルにあえて狭くすることで1台1台の自動車を識別しています。
可視光通信は、2003年から慶應技術大学の中川正雄教授が会長を務める可視光通信コンソーシアム(VLCC)が研究を開始し、2006年11月から総務省の次世代ブロードバンド技術の利用環境整備に関する研究会で検討が始まった新しい近距離無線技術です。電波と比べて、人間の目に見える光を使うことで、これまでにない利用方法が期待されています。LEDやインバータ型蛍光灯など既存の照明器具に変調装置を追加することで利用できるほか、PLC(電力線伝送)技術との親和性が高いことが利点です。
Index | |
5分で絶対に分かる近距離無線技術 | |
ユビキタス社会のネットワークを担う近距離無線技術 | |
RFIDハンディリーダにも使われるBluetooth | |
米軍出身のUWBは市場でデファクト競争に | |
センサーネットに活路を見出したZigBee | |
異なる非接触ICカード技術を結ぶNFC | |
ETCに使われるDSRC、研究が始まった可視光通信 |
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