3Dコンテンツ開発ツール「Unity」を使った、簡単な3Dミニゲーム制作の流れを一から解説していきます
「Unity」とは、3Dコンテンツも作成できるゲーム開発プラットフォームです。基本機能が無料で使えることや、WebやiOS(iPhone/iPad/iPod touch)、Android端末などマルチプラットフォームでコンテンツの書き出しができることから、その人気が高まっています。
3Dゲームというと、Unity 3.5の初回起動時に立ち上がる「Angry Bots」のような、作り込まれたアクションゲームをイメージする方も多いかもしれません。 しかし、最近ではUnity製のライトゲームも増えてきました。
Unityで開発するメリットは、それほどの知識がなくてもドラッグ&ドロップで手軽に3Dデータが扱えることと、物理エンジンをすぐに導入できることです。思いついた仕組みを短時間で実際に動かすまで持っていけるため、触り心地やレベルデザインの部分に時間を割くことができます。
また、1つのプロジェクトをiOSやAndroid、Flashといったマルチプラットフォームに書き出せるため、より多くの人に自分の作ったゲームを遊んでもらえます。
モバイル端末のゲーム制作に興味があっても、なかなかネイティブ言語(iOSだとObjective-C、AndroidだとJavaなど)による開発に手が出せなかったような人には、ぜひUnityによる開発を体験してみてほしいと思います。
本連載では、Unityを使用した簡単な3Dゲームを仕上げるまでの過程を解説していきます。実際にUnityで作っていくところから説明していきますので、導入部分や各UIの使い方は、以下にある過去の別記事を参照してください。
Unityでは、作ったプロジェクトをスマートフォン端末に書き出すにはライセンスを取得しなければいけません。本来ならiOS/Androidそれぞれ$300.00(約30000円)という値段が設定されていますが、2012年4月8日まで両ライセンスが無料になっています。
Unityのアカウントを取得してライセンス購入後、シリアルナンバーを入力すれば、スマートフォンへの書き出しが無料でできるようになります。取得したライセンスは期間終了後も使えます。かなりお得なので、期間内にライセンスを取得しておくことをお勧めします!
今回と次回では、サンプルとしてiOS上で動作する3Dモデルビューアを作ってみます。iPhoneの傾き(ジャイロセンサ)を取得し、3D空間上の自分の視点(カメラ)を回転させるという簡単なものです。
カメラも3Dオブジェクトと同じように、位置や向きをエディタ上で指定できるので、書くコードはとても少なくて済みます。
デバイスを傾けて、好きな角度からモデルを眺めることができます。
次ページでは、このアプリを作り始めます。
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