第9回 VBScriptのオブジェクトを使いこなす基礎解説 演習方式で身につけるチェック式WSH超入門(1/4 ページ)

WSHを本格的に使いこなすためにはオブジェクトの知識が欠かせない。クラスやオブジェクト、プロパティとは? エラー処理についても解説。

» 2007年02月15日 00時00分 公開

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基礎解説 演習方式で身につけるチェック式WSH超入門
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連載目次

 前回までは、WSH(Windows Script Host)の基本的な構文や記述方法について解説してきた。これだけでも数値計算や文字列処理といった一通りのことは可能であるが、今回からは、WSHを便利に使いこなすのに必要となる「オブジェクト(Object)」について取り上げる。

オブジェクトとは

 第1回でオブジェクトとは「便利な機能を実現するための道具」と書いたが、ここではもう少し詳しく説明しよう。

 オブジェクト(Object)は英語で「物」を意味するが、その言葉の意味するとおり、ある機能を持った「物」である。オブジェクトは物なので、一般用語の「物」と同じように、その物ごとの性質や動作を持っている。

 例えば著者自身を表す「大介」というオブジェクトを考えてみよう。

 「大介」オブジェクトは、「名前」「性別」「身長」「誕生日」「住所」などの「性質」を持っている。この性質のことをプログラミング用語で「プロパティ(Property)」という。これらのプロパティには実際にはある値が含まれている。例えば、「名前」には「牟田口大介」、「性別」には「男」、「身長」には「180cm」、「誕生日」には「5月26日」、「住所」には「兵庫県芦屋市」などの値を持っている。これらの値は固定のもの(変更できないもの)もあるし、変更されるものもある。例えば「大介」オブジェクトの「誕生日」プロパティは変更できないが、「大介」オブジェクトが引っ越した場合、「住所」プロパティの値が「神奈川県横浜市」に変化したりする。

 「大介」オブジェクトはいろいろな「動作」をすることができる。例えば「走る」「食べる」「寝る」などである。これらの動作のことをプログラミング用語で「メソッド(Method)」という。メソッドには、動作を行う対象物や条件などの付加情報を要するものもある。これは関数の説明で登場した「引数」である。例えば「食べる」メソッドには「食べ物」という引数が存在する。

 「大介」オブジェクトがどんなプロパティやメソッドを持っていて、実際にどんな振る舞いをするかの情報は、「人間」クラス(Class)に記述されている。すなわち、クラスとはオブジェクトの設計図だ。「人間」クラスを実体化(これを「インスタンス化」という)させたのが「大介」オブジェクトであり、ほかにも「花子」オブジェクトや「太郎」オブジェクトなども実体化することができる。これらのオブジェクトはそれぞれ違ったプロパティの値を持つ。オブジェクトとクラスの関係を、これまで述べた「大介」オブジェクト、「人間」クラスを例にとって図にしたものを次に示す。

クラスとオブジェクトの関係図
「クラス」とはどんなプロパティやメソッドを持っているかを記した設計図。クラスをインスタンス化(実体化)したものがオブジェクトである。オブジェクトはクラスで定義されたプロパティに実際の値を持ち、メソッドを使って操作する。

 自分でクラスを書くか、あるいは誰かの作ったクラスをインスタンス化し、オブジェクトとして使用するのが「オブジェクト指向プログラミング」の基本である。まずはVBScriptにどんなオブジェクトがあるのか見ていこう。


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