Windows Server 2008のInternet Explorerでは、「Internet Explorerセキュリティ強化の構成」という機能が導入され、有効化されている。この機能が有効になっていると、スクリプトの実行やダウンロードなどが禁止され、サーバーシステムのセキュリティが向上する。だがこのままではインターネットアクセスが制限され、使いづらいことがある。この設定を緩和するには、サーバーマネージャーでIE ESCの構成を変更する。
対象OS:Windows Server 2008
Windows Server 2003やWindows Server 2008には、「Internet Explorerセキュリティ強化の構成(Internet Explorer Enhanced Security Configuration:IE ESC)」という機能が用意されている。Webサーバーやアプリケーションサーバーとして利用しているWindows Serverコンピューターが、Webコンテンツやスクリプトなどを介して攻撃されたり、システムを乗っ取られたりしないようにするための機能である。
この機能が有効になっていると(デフォルトで有効になっている)、例えばInternet Explorerを起動したときに次のような画面が表示されるし、ステータスバーにIE ESCのアイコンが表示される。
この機能が有効な場合は、Webブラウザーによるインターネットアクセスなどに制限が加えられる。例えばActiveXコントロールやスクリプトなどが実行されなくなるし、マルチメディアコンテンツが再生されなくなったり、ファイルのダウンロードなどが行えなくなったりする(詳細は先のサポート技術情報参照)。
サーバーシステムのセキュリティを確保するためにはこの機能は有用であるが、場合によっては不便であり、一時的に機能を停止したい場合もあるだろう。例えばServer OSをインストールした後、不足しているデバイスドライバーやアプリケーションのパッチなどをインターネットからダウンロードしようとしても、IE ESCによってブロックされてしまう。サイトによってはJavaScriptなどを多用しているが、IE ESCが有効だとスクリプトを使って記述されたポップアップメニューなどが実行、選択できず、目的の場所(ダウンロードセンターなど)へ移動できなくなったりする。
IE ESCはWindows Server 2003で導入された機能であるが、この機能をオン/オフする方法は異なっている。本TIPSではWindows Server 2008におけるIE ESC機能の有効化/無効化について解説する。Windows Server 2003での操作方法やIE ESC機能の概要についてはTIPS「Windows Server 2003のIEのセキュリティ設定を緩和させる」を参照していただきたい。
Windows Server 2008におけるIE ESC機能の制御方法は(Windows Server 2003の場合よりも)簡単であり、サーバーマネージャーから操作できるようになっている。サーバーマネージャーを起動し(デフォルトではログオン時に表示されるようになっている。[管理ツール]−[サーバー マネージャー]でも起動可能)、[サーバーの概要]グループの下にある[セキュリティ情報]部分に注目する。この右側に[IE ESCの構成]というボタンがあるので、これをクリックする。
上の画面にある[IE ESCの構成]ボタンをクリックすると、次のようなダイアログが表示される。これが現在のIE ESCの設定の内容である。画面から分かるように、IE ESCは管理者と一般のユーザーのそれぞれに対して個別に設定できる。
デフォルトでは管理者とユーザー(非管理者)の両方に対し、どちらもIE ESCが有効となっている。例えば管理者向けの制限を緩和させたければ、[管理者]の側の設定を[オン]から[オフ]に変更し、[適用]ボタンをクリックする。
IE ESCが無効になると、Webブラウザーの起動画面は次のようになる。
なおIE ESCを無効にしたからといって、Internet Explorerの全ての制限が緩和されるわけではない。接続するネットワーク(ゾーン)に応じて、スクリプトの実行やダウンロードの許可などのセキュリティポリシーを適切に設定/変更する必要がある(TIPS「IEのセキュリティ設定を変更してセキュリティ機能を強化する」参照)。またサーバーシステムのセキュリティのため、インターネットへのアクセスやダウンロードなどの作業が終わったら、元のIE ESC設定に戻しておくのが望ましい。
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