Flash Playerは脆弱(ぜいじゃく)性などの理由から、更新を迫られることがある。更新すべきか否か判断するのに必須なFlash Playerのバージョン番号を調べる複数の方法を解説。
対象OS/ソフトウエア:Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10、Flash Player、Internet Explorer/Microsoft Edge/Google Chrome/Mozilla Firefox
アドビシステムズのFlash Playerには、しばしば深刻な脆弱(ぜいじゃく)性が見つかる。もしインストール済みのFlash Playerに脆弱性が含まれていたら、それを解消した更新版にアップデートしなければならない。
そこで重要なのがFlash Playerのバージョン番号である。ある脆弱性が含まれるかどうか、そしてそれが解消されているかどうかは、以下のようにFlash Playerのバージョン情報で示されるからだ。
そこで本TIPSでは、Windowsデスクトップ向けWebブラウザーを対象に、インストール済みのFlash Playerのバージョン番号を調べる方法をいくつか紹介する。環境や用途に応じて選択していただきたい。
Flash Playerは原則としてWebブラウザーごとにインストールされる。そのため、複数のWebブラウザーを利用している場合は、それぞれでバージョンを確認する必要がある点を留意していただきたい。
■ページ内リンク
まずFlash Playerのバージョンを調べたいWebブラウザーを起動し、以下のアドビシステムズ提供のバージョン確認用Webページを開く。
すると次のような画面が表示されるので、「You have version: 」に続くバージョン番号を読み取る。このバージョン番号が表示されない場合は、Flash Playerが未インストールか、無効化されているか、あるいは相当に古いFlash Playerがインストールされているか、いずれかである。
もう少し簡単な、別の確認方法もある。Flashを使った広告など、すでにWebブラウザーで何らかのFlashコンテンツを開いていたら、そこを右クリックする。ポップアップメニューが表示されたら、その一番下の[Adobe Flash Player <バージョン番号> について]からFlash Playerのバージョン番号を確認できる。
このバージョン番号の部分をクリックすると、先ほどの「方法1」で紹介しているページが開かれる(ただし英語表記。内容は日本語版ページと同じ)。そこには、インストールされているFlash Playerのバージョン番号(上の画面と同じ)と、現在リリースされている最新版のFlash Playerのバージョン番号の一覧が表示されているので、それを比較する。最新版でなければ、後述の方法で更新しておく。
前述の「方法1」や「方法2」では、Flash Playerを無効化していたりインターネットに未接続だったりすると、バージョンを確認できない。こうした場合には、Webブラウザーのプラグイン管理ページを調べるとよい。ただしMicrosoft Edge(以下Edge)では、この方法は使えない。
■Internet Explorer(IE)の場合
IEでは、まずウィンドウ右上の歯車アイコンをクリックし、表示されたメニューから[アドオンの管理]を選ぶ。「アドオンの管理」ダイアログが表示されたら、以下のように「Adobe Systems Incorporated」の[Shockwave Flash Object]を選択すると、下側の欄にFlash Playerのバージョン番号が表示される。
■Google Chromeの場合
Chromeでは、まずアドレスバーに「chrome://plugins」と入力・実行してプラグイン管理画面を開く。プラグイン一覧が表示されたら「Adobe Flash Player」という項目を見つける。そこにFlash Playerのバージョン番号が併記されている。
■Mozilla Firefoxの場合
Firefoxでは、まずアドレスバーに「about:addons」と入力・実行してアドオン管理画面を開き、左端のメニューにある[プラグイン]を選択する。その右側にプラグイン一覧が表示されるので、「Shockwave Flash」から始まる項目を見つける。そこにある[詳細]リンクをクリックすると、Flash Playerのバージョン番号が表示される。
プラグイン一覧画面にある[プラグインが最新バージョンであるか確認する]リンクをクリックすると、各プラグインが最新版かどうかのチェックが実行され、その結果が新たなタブに表示される。Flash Playerの場合、ここからアドビシステムズのFlash Player配布ページを開いて、最新版をインストールできる。
[A]
Flash Playerのバージョンは伝統的にそのプログラム本体のファイルバージョンと共通なので、そのプログラムファイルからFlash Playerのバージョンを調べることもできる。
この方法を応用すれば、リモートからバッチ処理で複数のPCを調査することも可能だ。例えば、コマンドプロンプトなら次のように実行するとよいだろう(wmicコマンドについては右上の関連記事を参照)。
■wmicコマンドで、リモートPC上のFlash.ocxのファイルバージョンを表示させる
C:\>wmic /node:"remotepc01" datafile where name="C:\\Windows\\System32\\Macromed\\Flash\\Flash.ocx" get version
Version
18.0.0.203 ……Flash.ocxのファイルバージョン
C:\>
PowerShellであれば、複数の対象ファイルのバージョンを簡単に取得できる。
■PowerShellで、リモートPC上のFlash*.ocxやNPS*.dllのファイルバージョンを表示させる
PS C:\> dir \\remotepc01\admin$\System32\macromed\flash\* -include flash*.ocx,nps*.dll | foreach {$_.VersionInfo}
↓各ファイルのファイルバージョン
ProductVersion FileVersion FileName
-------------- ----------- --------
18,0,0,203 18,0,0,203 \\remotepc01\admin$\System32\macromed\flash\Flash.ocx
18,0,0,209 18,0,0,209 \\remotepc01\admin$\System32\macromed\flash\NPSWF64_18_0_0_209.dll
PS C:\>
以下では、IE/Edge/Chrome/Firefoxを対象として調査した結果を基に、どのファイルを調べればよいのか説明する。
■Windows 7以前+IEの場合
Windows 7以前のWindows OSとIEの組み合わせの場合、Flash Playerは「Flash<アーキテクチャ>_<バージョン番号>.ocx」というファイル名のActiveXコントロールで実装されている。以下にこのファイルの在りかを記す。
■32bit版Windows OSの場合
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\Flash32_<バージョン番号>.ocx
例: C:\Windows\System32\Macromed\Flash\Flash32_18_0_0_209.ocx
■64bit版Windows OSの場合
・32bitプログラム用:
%SystemRoot%\SysWOW64\Macromed\Flash\Flash32_<バージョン番号>.ocx
・64bitプログラム用:
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\Flash64_<バージョン番号>.ocx
例: C:\Windows\System32\Macromed\Flash\Flash64_18_0_0_209.ocx
■Windows 8以降+IE、およびWindows 10+Edgeの場合
Windows 8/8.1/10とIE/Edgeの組み合わせの場合、Flash Playerは「Flash.ocx」というファイル名のActiveXコントロールで実装されている。このファイルのファイルバージョンがFlash Playerのバージョンを表す。以下にFlash.ocxの在りかを記す。
■32bit版Windows OSの場合
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\Flash.ocx
■64bit版Windows OSの場合
・32bitプログラム用:
%SystemRoot%\SysWOW64\Macromed\Flash\Flash.ocx
・64bitプログラム用:
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\Flash.ocx
■Chromeの場合
Google Chromeには、「pepflashplayer.dll」というファイル名のFlash Playerプラグインが同梱されている。このファイルのファイルバージョンがFlash Playerのバージョンを表す。以下にその在りかを記す。
<Chromeのインストール先フォルダー>\Application\<Chromeのバージョン番号>\PepperFlash\pepflashplayer.dll
例: C:\Program Files (x86)\Google\Chrome\Application\44.0.2403.130\PepperFlash\pepflashplayer.dll
■Firefoxの場合
FirefoxにはFlash Playerは同梱されていない。FirefoxをインストールしたWindows OSに、アドビシステムズ配布のFlash Playerをインストールすると、「NPSWF<アーキテクチャ>_<バージョン番号>.dll」というファイル名のFlash Playerプラグインがインストールされる。その在りかは次の通りだ。
■32bit版Windows OSの場合
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\NPSWF32_<バージョン番号>.dll
例: C:\Windows\System32\Macromed\Flash\NPSWF32_18_0_0_232.dll
■64bit版Windows OSの場合
・32bitプログラム用:
%SystemRoot%\SysWOW64\Macromed\Flash\NPSWF32_<バージョン番号>.dll
・64bitプログラム用:
%SystemRoot%\system32\Macromed\Flash\NPSWF64_<バージョン番号>.dll
例: C:\Windows\System32\Macromed\Flash\NPSWF64_18_0_0_232.dll
Flash Playerのバージョンを確認した結果、更新が必要だと判明したら、Webブラウザーごとに更新する必要がある。以下にその概略を記す。
■Windows 7以前+IEの場合
以下のアドビシステムズのWebページをIEで開き、Flash Playerの最新版インストーラーを入手してインストールする。
■Windows 8以降+IE、およびWindows 10+Edgeの場合
Windows Updateなどを使って、マイクロソフトから配布されているFlash Playerの更新プログラムを適用する。これまでリリースされたFlash Playerの更新プログラムは、次のページの「以前の更新プログラム」の項に記載されているサポート技術情報の各ページからダウンロードできる(ただしWindows 10を除く)。
■Chromeの場合
Chromeに同梱のFlash Playerを更新するには、Chrome自身を最新版に更新する。それには、ウィンドウ右上のメニューアイコンをクリックして[Google Chromeについて]を選択する。詳細は右上の関連記事の「Flash Playerを再有効化する前にはChromeを最新版に更新する」を参照していただきたい。
■Firefoxの場合
以下のアドビシステムズのWebページをFirefoxで開き、Flash Playerの最新版インストーラーを入手してインストールする。
■関連リンク
■更新履歴
【2015/08/12】Microsoft EdgeおよびGoogle Chrome、プラグイン管理ページでのバージョン調査方法について追記しました。その他についても、最新情報を反映しました。
【2007/11/16】初版公開。
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