人材派遣会社のパソナテックは、マイクロソフトが2008年4月に発表する予定の次期サーバOS「Windows Server 2008」に対応したITエンジニア向けトレーニングを12月13日に開始した。
トレーニングは、無料セミナー、体験、資格取得の3つの要素で構成。セミナーでは、Windows Server 2008の機能を「管理機能の向上」「堅牢性の向上」「柔軟性の向上」といった3つの観点から紹介する。体験では、Windows Server 2008の実機を操作しながら、サーバ管理やセキュリティなどについて学習する。製品出荷に先駆けてマイクロソフトが実施しているWindows Server 2008対応のMCP(Microsoft Certified Professional)のアップグレード試験、MCTS(Microsoft Certified Technology Specialist)の取得を支援する。
パソナテックがWindows Server 2008をターゲットにITエンジニアを育成する理由は、同製品発表以前にWindows Server 2008のスキルを身に付けたITエンジニアは市場価値が高いと考えているからだ。パソナテック 事業企画部 部長 入江直樹氏は、パソナテックがITエンジニアを直接トレーニングする狙いとして、新しい製品を導入する企業に対して、新しいスキルに精通したITエンジニアをいち早く企業に送り込むことを挙げた。
「人材ビジネスは、企業と人材のニーズをいかにマッチさせるかということが大切」とも入江氏は語り、「企業は今後、Windows Server 2003のスキルをITエンジニアの最低限のレベルと見る。また、いままではMCPという単位だったのが(MCTSやMCITPの)専門性も見るようになっている」と解説した。
パソナテックがWindows Server 2008の需要が高いと見ている一方で、ITエンジニアからの評判はどうか。12月13日開催のトレーニングは、募集開始から約1週間で定員に達した。1月実施予定のトレーニングは2回ともすでに満席状態だ。トレーニングを受けたITエンジニアからの評価は、Windows Server 2003と比べてWindows Server 2008の方が高いという。
Windows Server 2008は新機能だけでなく、既存機能の強化が高く評価されているようだ。特に、Active Directoryは、「Starter GPO」と呼ばれるグループ・ポリシー設計を支援する機能や、「Read-Only Domain Controller」というドメイン・コントローラの新しいモードが追加搭載されるなど、Windows Server 2008の機能の中でも注目度が高い。入江氏は「派遣社員を使っている企業はとても多く、派遣社員にアカウントを発行することも頻繁に起きている。Active Directoryは需要が高いスキル」と話す。
パソナテックは、2008年3月末までに、MCSAもしくはMCSEからのアップグレードによるMCTS取得者を20人、Windows Server 2008のトレーニング受講者を合計で200人育成することを目指す。そのため、MCTSへのアップグレード試験の受験料を2008円で提供し、合格者に3〜4万円の資格手当てを提供するなどのキャンペーンも実施している。
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