マイクロソフトは3月9日、ITエンジニア向け支援施策「Power to the PRO」について、2008年3月に開始した「Power to the PRO NEXT」の進ちょくと、2009年実施の「Power to the PRO 2009」の方針を発表した。
Power to the PRO NEXTでは、(1)「MSDN」「TechNet」で公開している技術資料の日本語への翻訳、(2)問題解決に役立つサービスの提供、(3)「Project UX」「バーチャルラボ」「スキルチャージプログラム」といった3つのスキルアップ支援プログラムなどを実施した。
「MSDN」「TechNet」で公開している技術資料の翻訳では、2008年3月から8月末までの6カ月間で約1万ページ翻訳を行った。2008年8月から10カ月間で約1万ページを追加で翻訳する予定だが、2009年3月時点ですでに約9000ページが翻訳されている。(昨年3月から)合計で約2万ページの翻訳が済んでいる。
今後資料を拡充したい製品について、同社 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏は、Microsoft Silverlightだと述べた。「Microsoft Silverlightに関する技術情報の翻訳は、顧客から強い要望がある。同製品は従来、コンテンツやメディアを配信する企業が中心顧客だったが、最近はビジネスアプリケーションのプラットフォームを事業にする企業、官庁や地方自治体で需要が高まっている」(同氏)。また、「Windows Azureなどクラウドコンピューティングに関する技術情報を強化していきたい」とも述べた。
MSDN、TechNetの技術情報に関するページのPVは、両サイトの合計値で前年比の2倍になったとのこと。2008年1月には両ポータルサイトのトップページに同一の操作性を持たせるなどのリニューアルを行った。
2つめの問題解決に役立つサービスでは、ユーザーが製品や技術に関する質問を投稿するオンライン掲示板に同社のエンジニアを投入したり、人力検索サービスの提供を行った。
同社はPower to the PRO 2009で、問題解決に役立つサービスを強化する方針。2009年6月には、問題解決に役立つ情報のみを凝縮したニュースレターの月次配信を計画している。顧客からのフィードバックを得て、7月には本番運用を開始する予定。
ほかにも、TechNetのTechCenterおよび、MSDN のDeveloper Centerにおける「サポート技術情報」の検索性を向上させる(2009年3月中)。
3つめの3つのスキルアップ支援プログラムでは、Project UX、バーチャルラボ、スキルチャージプログラムといった3つの取り組みを行った。Project UXは、クライアントのリッチインタラクティブアプリケーション(RIA)をつくるための技術にフォーカスしたポータルサイトとして2008年9月に立ち上げられ、1万8000人が登録している。ここでは、RIA開発に必要な情報だけでなく、実際にアプリケーションを作ったエンジニアの体験談が載っており、エンジニア同士が経験を共有できる。
バーチャルラボは、ユーザーがサーバ製品を試したいとき、マイクロソフトの仮想サーバで製品を評価できる仕組みだ。現在50個の製品コンテンツがあるが、同社は今後もバーチャルラボのコンテンツを拡充していく方針とこのこと。
スキルチャージプログラムでは、顧客の要望に基づき、技術書籍やトレーニングを提供している。2007年9月から開始され、現在では7万人が参加している。
このスキルチャージプログラムは現在第3弾を開催中。第1弾(2007年9月実施)、第2弾(2008年3月実施)での顧客からの意見・要望を反映し、Webサーバの導入と評価・検証の支援、セキュリティ対策支援などを提供する。
例えばWebサーバの導入と評価・検証の支援では、顧客からWeb関係の技術についての要望が高かったことから、サーバハードウェアとWindows Web Server 2008を組み合わせた「ウェブサーバーキット」を80セット提供する。
大場氏は「現行製品の技術情報を徹底強化するだけでなく、Windows 7やWindows Azure、今度リリースする予定のMicrosoft Silverlight 3など新しい製品についても顧客に理解してもらえるようスキルアップの支援や仕組み作りをしていきたい」と述べた。
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