バーチャルドメイン環境下でqmailを運用するには、それなりの設定が必要だ。また、それに合わせてPOP環境を入れ替える必要もある。その方法を詳しく解説する。
今回は、qmailでバーチャルドメインメールを運用する方法を紹介します(注)。
バーチャルドメインを使えば、複数のホストやドメインで提供していたサービスを1台に集約して導入コストを下げることができます。運用面でも、バージョンアップやセキュリティ対策といった管理の手間を抑えられます。もちろん、サーバに障害が発生した場合は全ドメインのサービスが停止する危険性も含んでいるため、メリットばかりではありません。とはいえ、RAIDや冗長化電源などが比較的容易に導入できるようになった昨今では、1ドメインに1ホストを割り当てるより、障害に強い1台のサーバで複数のドメインを運用する方がより現実的です。
また、2001年から始まったjp汎用ドメインの解禁で、1社・1ドメインどころか1プロジェクト・1ドメインといった使用方法も増えてくることでしょう。Webだけでなく、メールサービスもバーチャルドメインの恩恵を受けられるようにしてみましょう。
バーチャルドメインの場合も、DNSへの登録は避けて通れません。通常のメールサーバと同様、MXを指定します(第1回 qmailによるSMTPサーバの構築)。
この場合、メールサーバをCNAMEで定義し、それをMXに指定する下記のようなやり方は必要ありません。
IN MX 5 host.atmarkit.jp.
host.atmarkit.jp IN CNAME host.example.jp.
これでは、CNAMEを引きにいく分だけ無駄なコストが発生します。
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