「Webサービス」という言葉は、ほとんどのIT技術者が知る単語になりました。しかし、「Webサービスって何?」と聞くとさまざまな答えが返ってきます。これはWebサービスが多くの技術要素で成り立ち、さまざまな使い方があり、適用範囲が広いためです。そこで、この連載では、この広大なWebサービスの世界すべてを知るのではなく、最も基本となる技術を実際にプログラムを作りながら身に付けていただこうと思います。「SOAPとは何か?」「WSDLとは何か?」など、実際に自分のPCで操作し、動かしながら理解していくことにしましょう。
樋口研究室とは?
トレンドの追っかけから、技術検証まで、コンピュータに関するあらゆる分野でただ知的好奇心を満たすためだけに研究に没頭する技術集団。メンバーが運営するホームページ(以下のURL)もある。http://www.ibm.com/jp/software/websphere/developer/tips/kouza/index.html
Webサービスの基本を学ぶ7つのステップも、前回と今回で7つ目のステップを終了することになります。そして長く続いたこの連載も、今回で最終回になります。
前回の「統合開発環境でWebサービスを作成する」は統合開発環境でJavaBeans版Webサービスを開発しました。統合開発環境の便利な機能により開発者は業務ロジック部分の開発に注力できるようになることを理解していただいたことでしょう。
今回はそれをさらに実感できるEnterprise JavaBeans(EJB)のWebサービス化を取り上げます。EJBのWebサービス化は統合開発環境なしには難しいと思われます。というのも、EJBの作成は「業務ロジック開発以外の作業」が多く、統合開発環境を利用せずに開発を行うことは現実的には難しいと思われるからです。EJBだけでもそうであるうえに、さらにWebサービス化となると、統合開発環境が必要というのも理解していただけるでしょう。
結論を先にいうようですが、EJBのWebサービス化は統合開発環境を利用することでJavaBeansの開発と手順はおおむね同じになります。EJBを利用するうえで最低限の付加作業で開発できることが統合開発環境を利用するメリットになります。
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