<この連載について>
ここまでの連載「コマンドを使ってトラブルシューティング」では、100人くらいのユーザーのいる小規模ネットワークに起こるさまざまなトラブルを、ネットワークコマンドを用いて解決してきました。
主人公は、引き続き、社内の管理者兼プログラマーの律子さん。どうやら部長の指令により、管理するネットワークの範囲が拡がり、後輩くんも付いたようです。新連載「ツールを使ってネットワーク管理」では、ネットワークコマンドだけでなく、フリーツールも活用して社内ネットワークの運用管理をしていきます。
相変わらず仕事に追い立てられている律子さんです。しかも下っ端としてこき使ってやろうと思っていた博君は、ネットワークのトラブルにはちっとも役に立ちません。結局律子さんが1人で対応することが多くなって、余計に仕事が増えたような気がします。
そんな困った状況ですが、またまた部長がやって来て、思い付いたアイデアをいってきます。
部長 「わが社のLANには知らないマシンがいっぱいつながってる気がするんだけど、律子さん、何とかならないかなあ」
律子 「と申しますと」
部長 「テスト用だったりするんだろうけど、ちゃんと許可取ってほしいわけ、分かる?」
律子 「はあ」
部長 「そんなわけで見付けて、つなげないようにしてくれない? 頼んだから」
部長はいいたいことだけいうとさっさと消えてしまいました。
そういえばDHCPでIPアドレスを簡単に取得できるようになって、律子さんがささいなトラブルで相談される件数も増えてきたような気がします。DHCPで面倒な設定がなくなったり、IPアドレスがかぶる心配がなくなったため、これまでよりも勝手にLANに自分のPCや開発に使うマシンを接続する人が増えたせいかもしれません。
このままでは私の仕事はまだまだ増え続けてしまうかもしれない。しかも、また以前のようにDHCPのアドレスが枯渇して騒動になったりしてしまいそうです(※1)。律子さんも心配になってきました。自分のためにも勝手に接続されるのは避けるようにしないと。
※1 DHCPアドレスの枯渇トラブルは、連載:コマンドを使ってトラブルシューティング第6回「私だけネットワークにつながらない!?」を、DHCPサーバ導入までのいきさつは第3回 「ネットワークに同じIPアドレスが2つある?」をご参照ください。
そう思った律子さんですが、自分のネットワークにどれくらいのホストがいて、その中で律子さんの知らない勝手に接続されたホストはどのくらいあるのか、という基本的なLANの情報を律子さんはまったく把握できていないことに気付きました。
さて、どうしたものでしょう。ホスト255台にPingを打ち続ければ何か解決するのかもしれませんが、そんなヒマはありませんし、台数しか分かりません(※2)。
※2 律子がこれまで管理していたLANのホスト数は、連載:コマンドを使ってトラブルシューティング第2回「どうして課長だけプリントできない?」にあるように、プロバイダが確保しているクラスC×1を2つの組織に分配されたタイプの「128」のはずですので、律子は少し混乱しているようです。
それなら博君に押し付けてしまえばいいのではないか、と律子さんはわれながらびっくりするくらい良いアイデアが浮かんだので、早速博君のところに行ってみると、博君は楽しげにツールを動かしています。
律子 「あんた、何やってんの?」
博君 「律子さん、これ、すごくないですか? ネットワークにつながってるマシンが全部表示されるんですよ」
律子 「会社で使っていいと思ってんの?」
博君 「へへっ、会社の方がたくさんホストが見れていいじゃないですか」
こういう怪しい人がほかにもいると思うと管理する方も楽ではありませんが、早速そのソフトを教えてもらい使ってみることにします。
教えてもらったメモには、
と書かれています。まずは博君が使っていたLook@LANを使うことにします。
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