ソースからインストールする場合は、DSOを利用したモジュールインストールとApacheへ直接組み込む方法の2種類があります。ここではApacheへ組み込む方法を紹介します。
なお、httpd.confの設定の詳細については、本文を参照してください。
各種の機能をApacheに組み込む場合は、Apacheのインストール時に適宜オプションを追加してconfigureを実行します。「Apacheに組み込む」つまりApache本体のコンパイルを行うという方法の性格上、ここでは本文に先行してLDAPのインストールまで行います。ただし、今回はインストールを行うだけであり、設定については次回に解説します。
SSL、LDAP、WebDAVをApacheに組み込むためのオプションは以下のとおりです。なお、Apacheのconfigureを実行する前に、OpenLDAPやOpenSSLをインストールしておく必要があります。
#./configure --enable-so --enable-ssl --enable-dav --with-ldap --enable-ldap --enable-auth-ldap
必要に応じて、そのほかのオプションも適宜で指定します。
configureが終わったら、コンパイルとインストールを行います。
# make # make install
Apacheに組み込まれているモジュールの一覧を表示させ、SSL、LDAP、WebDAVが組み込まれていることを確認します。
# /usr/local/apache2/bin/httpd -l .... mod_auth_ldap.c .... mod_ssl.c .... mod_dav.c .... mod_dav_fs.c
mod_encoding(本文参照)は、DSOモジュールとしてインストールします。「Apache 2.0でWebDAV」でもmod_encodingのインストール方法が紹介されていますが、最新のApacheでは「make install」で失敗するため、修正が必要です。
まず、WebDAV Resources JP(http://webdav.todo.gr.jp/)のdownloadメニューから、mod_encoding 20021209.tar.gzとmod_encoding.cのApache 2.0用差し替えファイルmod_encoding.c.apache2.20040616をダウンロードします。ダウンロード後tarボールを展開し、mod_encoding.cを別途ダウンロードしたものに置き換えます。
# tar xvfz mod_encoding-20021209.tar.gz # cp mod_encoding.c.apache2.20040616 mod_encoding-20021209/mod_encoding.c
次に、iconv_hookライブラリをインストールします。
# cd mod_encoding-20021209/lib/ # ./configure # make # make install
mod_encodingのコンパイルとインストールは以下のように実行します。
# cd .. # ./configure --with-apxs=/usr/local/apache2/bin/apxs --with-iconv-hook
makeを実行する前に、Makefileを2カ所修正します。
LIBS = -L/usr/local/lib -liconv_hook (省略) install-exec-local: $(APXS) -i -a -n encoding mod_encoding.la
Makefileを修正したら、コンパイルとインストールを実施します。
# make # make install
最後に、httpd.confにmod_encoding用の設定を追加します。
EncodingEngine on SetServerEncoding UTF-8 DefaultClientEncoding UTF-8 CP932 EUCJP-MS AddClientEncoding "Microsoft .* DAV 1.1" ASCII CP932 UTF-8 AddClientEncoding "Microsoft .* DAV" UTF-8 CP932 AddClientEncoding "(Microsoft .* DAV $)" UTF-8 CP932 AddClientEncoding "(Microsoft .* DAV 1.1)" CP932 UTF-8 AddClientEncoding "Microsoft-WebDAV*" UTF-8 CP932 AddClientEncoding "RMA/*" CP932 AddClientEncoding "xdwin9x/" CP932 AddClientEncoding "cadaver/" UTF-8 EUCJP-MS AddClientEncoding "Mozilla/" EUCJP-MS
Linux Tips「ApacheでSSLを使うには」を参考に、SSL用のサーバ証明書と秘密鍵を用意します。ここでは、以下の2つのファイルが作成されているものとします。
サーバ証明書 :/usr/local/apache2/conf/ssl.crt/server.crt
サーバ用の秘密鍵:/usr/local/apache2/conf/ssl.key/server.key
次に設定ファイルにSSLの設定を追加します。SSL自体の設定はssl.confで行い、httpd.confにはssl.confを読み込む指定を行うだけです。
<IfModule mod_ssl.c> Include conf/ssl.conf </IfModule>
以下が、ssl.confの設定です。
(省略) ## ## SSL Virtual Host Context ## <VirtualHost _default_:443> (省略) ServerName www.example.jp:443 ←サーバ名の指定 ServerAdmin admin@example.jp ←管理者のアドレス (省略) SSLCertificateFile /usr/local/apache2/conf/ssl.crt/server.crt ←サーバ証明書の指定 (省略) SSLCertificateKeyFile /usr/local/apache2/conf/ssl.key/server.key ←サーバ用の秘密鍵の指定
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