Eclipseテストツール活用の基礎知識:Eclipseで使えるテストツールカタログ(1)(3/3 ページ)
ここまで見てきたテストをすべて人力でやろうとすると非常に大変です。そこで、テストの実行を容易にする便利なツールが数多く開発、提供されています。それらを利用することにより、テスト作業を軽減できます。
テストツールには、主に以下のような機能を持つものがあります。
- テストケースやテストデータを作成する
- テストを実行する
- テストの実行手順を記録する
- テストの結果を出力、確認する
これらの機能を持ったツールを使うことには、次のようなメリット、デメリットがあります。
<メリット>
- テスト作業の時間が短縮される
- 正確かつ客観的にテストの実行および結果の確認ができる
- 同じテストケースを容易に再現できる
<デメリット>
- ツールの使い方を覚える手間が掛かる
- ツールの設定や操作のミスをすると正しいテストにはならない
- ツールの機能に制限があって、すべてをテストできないこともあり得る
ツールに頼り切ってテストするのは危険ですが、正しく使いこなせば作業効率と品質がともに向上します。まず、テストする目的や対象に合ったツールを選択し、そのツールで何ができて、何ができないかを理解したうえで、足りない部分は人の手で補う必要があるでしょう。
Javaの統合開発環境であるEclipseではプラグインによりさまざまな機能を追加できます。テスト用のプラグインも、図2に示すように多数存在し、以下のような種類に分類されます。
- 静的解析ツール
ソースコードの規約チェックや潜在バグの検出を行うツール
- メトリクス計測ツール
ソースコードのメトリクス(品質指標)を測定するツール
- 単体テストツール
- テスティングフレームワーク
テストコードの記述とテスト実行を支援するツール
(注:連載では紹介しません)
- JUnit支援ツール
JUnitによる単体テストを支援するツール
- 自動単体テストツール
ソースコードを解析して自動で単体テストを実行するツール
- カバレッジ測定ツール
テスト実行によるカバレッジを測定するツール
- 機能テストツール
Webアプリケーションの機能テストを支援するツール
- 性能テストツール(プロファイラ)
プログラムの処理順序、処理時間、使用リソースなどを監視するツール(注:本連載では紹介しません。Eclipse profiler pluginは連載「Eclipse徹底活用 第6回 Eclipseをプロファイラとして活用する」を参照してください)
図2 テストの工程・種類とEclipseプラグインで利用できるテストツール (クリックすると拡大します)
ツールには、ベンダが提供する有償のものと、オープンソースなど無償のものとがあります。次回からは、これらのツールのうち、無償で利用できるものをいくつか取り上げて、その使い方を紹介していきます。
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