これだけ知っていればワンセグ博士!5分でネットがわかるシリーズ(4)(4/5 ページ)

» 2006年09月26日 00時00分 公開
[江原顕雄@IT]

4. ロケーションフリーTV、「巨大市場」となるか?

 現在日本の携帯電話の契約数は、総務省の発表で平成18年3月末の時点で9000万件を超えています。ワンセグに対応していない機種が多いですが、今後ワンセグが視聴可能な機種が増えていけば、巨大なマーケットが誕生します。

 当然、コンテンツを作成するテレビ局関係者、CMを手掛ける広告代理店、ワンセグ対応機器を作るメーカーと携帯会社が熱い視線を送るのも納得です。

 さらに携帯電話はいつでもどこでも持ち歩いているのが普通です。テレビの視聴時間がインターネットに奪われている!と危機感を持っているテレビ関係者には、いつでもどこでも見たいときに視聴が可能なワンセグは、インターネットと戦うための有効な武器になることでしょう。

● 通信と放送の融合がやっとできる?

 ワンセグの特徴の1つに、通信の双方向性があります。クイズ番組の放送に視聴者が一緒に参加できたり、番組のプレゼントアンケートをその場で申し込めたりと、インタラクティブな番組作成ができます。旅番組で登場したホテルや名所、おみやげなど情報はもちろんその場で宿やチケットの予約、商品の通信販売など、番組と連動した広告活動が可能です。広告主側はユーザープロフィールを把握しやすくなります。

 この「いまその場でできる」というのも大きな可能性を秘めています。テレビで気になる音楽や商品を目にしても、パソコンを起動してその音楽タイトルや商品名を調べて、通販で購入する……というプロセスに比べれば、ワンセグで見ている瞬間に購入できる気軽さは、ウリとなるでしょう。

図4 映像部分と文字部分を組み合わせて新ビジネス 図4 映像部分と文字部分を組み合わせて新ビジネス

● ほかのメーカー・キャリアと差別化!

 写真も撮影でき、音楽プレーヤやGPS、クレジットカード機能など、携帯電話の性能はどんどん進化し、付加機能で携帯電話メーカーは熾烈な競争をしています。ワンセグ機能も、ほかの携帯電話と差別化を図るためのもってこいのサービスとなっています。キレイで大型の液晶、番組の録画機能、操作性などなどまだ登場したばかりのサービスなので、技術的な発展領域も残されています。

 メーカー同様に携帯電話サービス会社もワンセグには期待しています。契約数の頭打ちやナンバーポータビリティ制度など、キャリアを脅かす要素がたくさんある中、ワンセグに強いサービスを打ち出せば、自社に顧客を呼び込むための起爆剤になるでしょう。

 さてバラ色の明るい未来で、関係者みんながハッピーになれそうなワンセグですが、果たしてそれは本当でしょうか? 次ページでは指摘されるワンセグの弱点と今後とについて考えてみたいと思います。

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