Analysis Servicesを使って多次元分析に挑戦しようSQL Server 2005で学ぶデータ分析(3)(2/3 ページ)

» 2007年02月02日 00時00分 公開
[中野大輔日本ユニシス株式会社]

4.キューブの作成

 キューブウィザードではデータソースビューよりファクトテーブル/ディメンションテーブルを識別して、自動的にメジャー、ディメンションが構成されます(図7、図8)。

図7 キューブ作成(テーブルの識別) 図7 キューブ作成(テーブルの識別)
図8 キューブ作成(ディメンション作成) 図8 キューブ作成(ディメンション作成)

5.ディメンションの修正

 キューブウィザードで自動作成されたディメンションは、デザイン画面でウィザードにおいて作成されなかった階層の追加や名称の変更、そのほか各種プロパティを必要に応じて変更できます(図9、図10)。図10では階層の名称を変更しています。

図9 ディメンション修正(ディメンションを開く) 図9 ディメンション修正(ディメンションを開く)
図10 ディメンション修正(ディメンションデザイン画面) 図10 ディメンション修正(ディメンションデザイン画面)

6.分析サーバへの配置と処理

 キューブの定義が完了したら[ビルド]を選択して、多次元データベースの構成に問題がないか確認し、[配置]からSSASがインストールされているサーバ(分析サーバ)を選択します。[配置]を行うまでキューブの定義はVisual Studio上のプロジェクトにしか存在していません。[配置]を行うことにより、SSASの稼働している環境にキューブが定義されます。そして最後に[処理]を実施することによりリレーショナルテーブルからデータを取り込み、クライアントから分析することができる状態になります。処理は多次元データベース、キューブ、ディメンション単位で実行できます(図11)。

図11 ビルド/配置/処理の実行 図11 ビルド/配置/処理の実行

Excelピボットによるデータ分析

 多次元データ分析を行うために手軽に利用できるクライアントツールはExcelピボットテーブルサービスです(注:ここではExcel 2003を前提に記述します)。

 Excelピボットテーブルの操作方法については、@IT記事のWindows TIPS「ピボットテーブルでクロス集計を行う」を参考にしてください。以下はExcelピボットテーブルから分析サーバに接続するための手順です。

  1. [データ(D)]メニューより[外部データの取り込み(D)]→[新しいデータベースクエリ(N)]を選択
  2. [OLAPキューブ]タブより[<新規データソース>]を選択して[OK]ボタンを押下
  3. 任意のデータソース名を入力し、OLAPプロバイダとしてSQL Server 2005用のプロバイダ「Microsoft OLE DB Provider for Analysis Services 9.0」を選択。[接続(C)]ボタンを押下し、マルチディメンション接続画面にてSSASが稼働するサーバを設定して、最後に接続キューブを選択して[OK]ボタンを押下(図12)
図12 Excelピボットによるデータ分析(データソース作成) 図12 Excelピボットによるデータ分析(データソース作成)

 ここまで行えばピボットテーブルにデータが表示され、ダブルクリックやドラック&ドロップの操作でドリルアップ/ドリルダウン、スライス&ダイスなどの多次元分析の操作が可能になります(図13)。

図13 Excelピボットによるデータ分析 図13 Excelピボットによるデータ分析

 なお、SSASがインストールされたマシン以外から分析サーバに接続を行う場合には、別途「Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services 9.0 OLE DB Provider」ならびに「Microsoft Core XML Services 6.0」をインストールする必要があります(下記のマイクロソフト社ホームページよりダウンロードが可能です)。

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