Oracleデータベースの導入では、RAC固有の手順も多くなく、通常の導入と大きな差異はありません。ここでは2点ほど取り上げます。
[インストール・タイプの選択]の画面では、購入したライセンスを選択します。その際ですが、ライセンスの選択前に[製品の言語]ボタンを押下して必要な言語が選択されているか確認し、その後でライセンスを選択してください。Standard Editionを購入した環境では、Standard Editionを選択します。先にライセンスを選択してから[製品の言語]ボタンを押下すると、ライセンスがEnterprise Editionに戻ってしまうことがあるので注意します。
[ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定]の画面では、[クラスタ・インストール]か[ローカル・インストール]かを選択します(図5)。RAC環境ではクラスタ・インストールが推奨されていますので、表示されているノード名すべてにチェックを入れて、先に進みます。
クラスタ・インストールは、チェックしたノードすべてに、OUIが製品をコピーします。ローカル・インストールでは、すべてのノードに対してインストールを行う必要があります。
残る項目は、通常の導入と変わりありません。設定を確認し、インストールを行います。インストール終了後、必要であればPSR(PatchSetRelease)や個別パッチを適用します。
Oracle Netの設定についても、特記する内容は2点です。
まず、LISTENERを作成する際には必ずNetCA(Oracle Net Configuration Assistant)を使用してください。RAC環境では、listener.oraファイルを作成するだけでは不十分です。NetCAを使用しないでLISTENERを構成することも可能ですが、工程が複雑になります。
前回、Linux OSについて記載した内容にOCR(Oracle Cluster Registry)がありました。これはOracle Clusterwareが管理するリソースについて記載しておくものですが、ここにLISTENERも登録する必要があります。CUI(コマンドライン・ユーザーインターフェイス)から登録することも可能ですが、NetCAを使用すると自動で登録が行われるので、ここではNetCAを使用します。
そして2点目は、NetCAを使用する際の注意点です。Oracleデータベース導入時と同様に、NetCAにもRAC構成用の画面が追加されています。
まず[Real Application Clusters−構成]の画面では、[クラスタ構成]を選択します(図6)。
次に[Real Application Clusters−アクティブ・ノード]の画面では、表示されているノード名すべてにチェックを入れて、先に進みます。
残る項目は、通常の導入と同様です。設定を確認し、LISTENERを作成します。
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