Oracleでの問題発生を予防するORACLE MASTER Silver DBA講座(20)(2/2 ページ)

» 2007年08月16日 00時00分 公開
[有限会社 G.F.インフィニティ (Project - ∞)]
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問題

問題1

本日、いままでで最もよいパフォーマンスでデータベース処理が実行できていました。このパフォーマンスデータと比較するようにメトリックしきい値を設定する方法を選択しなさい。

a.AWRスナップショットの保存期間を変更する
b.保存スナップショットセットを作成する
c.メトリックベースラインを作成する
d.AWRスナップショットを確認し、1つずつしきい値を変更する

正解:c

解説

 前回、宿題とした問題です。

 AWRに保存されたスナップショットを基にメトリックベースライン(バージョン10.1.0.3以降ではメトリックスナップショット)を作成し、その値をメトリックしきい値に設定することで、パフォーマンスを比較するための材料とすることができます(正解c)。

図2 メトリックスナップショットの作成ページ(クリックで拡大します) 図2 メトリックスナップショットの作成ページ(クリックで拡大します)

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a:AWRスナップショットを毎回確認してメトリックしきい値を設定するのは効率的とはいえません。なお、過去のAWRスナップショットは保存期間を過ぎると自動的にパージされますが、保存スナップショットセットにすれば自動パージされなくなります。

選択肢b:保存スナップショットセットを作成すれば自動パージはされませんが、選択肢a同様に、毎回確認してメトリックしきい値を設定することは効率的ではないことから、不正解となります。

選択肢d:選択肢a、b同様、1つ1つを細かく確認しながら設定するのでは効率が悪くなります。メトリックベースラインにて一括で設定した方が容易といえます。

問題2

初期化パラメータSTATISTICS_LEVELはTYPICALに設定されており、自動ワークロードリポジトリは30分に一度スナップショットが作成され、7日間保存されるように設定されていました。この3カ月間は毎日メトリックの結果でパフォーマンス状況を確認できていました。現在金曜日ですが、水曜日と木曜日のデータしか表示されていません。原因として適切なものを選択しなさい。

a.水曜日にパージされた
b.水曜日に保存期間が2日に変更された
c.水曜日に保存期間が0に変更された
d.水曜日にスナップショットの取得間隔が3日間に変更された

正解:b

解説

 AWRスナップショットがなくなった原因は、明示的にパージしたか、自動パージされたかのいずれかと考えられます。

 問題文中の、過去2日間のデータしか残っていないという状況からでは判断しにくいのですが、2日より前のものが自動パージされたと考えるのが自然であることから、選択肢bを正解としました。

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢a:水曜日にパージしたのであれば、それ以降のデータしか残っていないと考えられます。そのため、水曜日のデータがすべて残っているのはおかしいことから不正解としています。

選択肢c:保存期間が0になっている場合、自動パージ機能は解除され、SYSAUX表領域の空き領域が不足したときにパージが行われるようになります。

選択肢d:取得間隔が3日なのであれば、木曜日のスナップショットは取得されていないはずです。スナップショットは手動で作成することもできるのですが、問題文に特に明記されていない場合は、手動などでのアクションが行われていないことを前提に考えましょう。

問題3

表に対してDELETE文とINSERT文が繰り返されており、断片化が心配されています。表で断片化が起きていないかどうかを確認できるツールを選択しなさい。

a.セグメントアドバイザ
b.メモリアドバイザ
c.SQLチューニングアドバイザ
d.SQLアクセスアドバイザ

正解:a

解説

 表の断片化によりパフォーマンスに問題が発生していると考えられる場合、セグメントアドバイザを使用することで、セグメントの縮小が効果的とされるセグメントを検出してくれます(正解a)。セグメントの縮小を行うことで、どのくらいの領域が再生できるかといった結果も表示できます。

図3 セグメントアドバイザ結果(クリックで拡大します) 図3 セグメントアドバイザ結果(クリックで拡大します)

 そのほかの選択肢の不正解の理由は次のとおりです。

選択肢b:メモリアドバイザは、共有プール、データベースバッファキャッシュ、PGAに関するサイズアドバイスをするためのものです。セグメント側ではなくメモリ側ですので、不正解です。

選択肢c:SQLチューニングアドバイザは、個々のSQLチューニング(統計収集の必要性、実行計画の修正、索引の必要性、SQL文の再構成の必要性)をアドバイスします。セグメント側が原因でSQL実行に問題が発生することはありますが、どのセグメントの断片化が問題であるかを推奨するのはセグメントアドバイザです。

選択肢d:SQLアクセスアドバイザは、索引とマテリアライズドビューの必要性を推奨するものです。選択肢cのSQLチューニングアドバイザ同様、セグメントの断片化問題は検出できません。

宿題

 次回は、「バックアップ/リカバリの概要」を確認します。次の宿題を解いておいてください。

問題

REDOログファイルを多重化していますが、ディスク障害のために1つのREDOログファイルが破損しました。データベースの状態を選択しなさい。

a.インスタンスに影響はない
b.インスタンスが停止する
c.DML実行がエラーとなる
d.LGWRが書き込みエラーになる

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