ITエンジニアに残業はつきもの(?)。しかしITエンジニアたちは残業を減らすため、さまざまな工夫を凝らしているようだ。それらの工夫を紹介しよう。題して「残業減らせ減らせプロジェクト」!
それぞれの業務内容によるかもしれないが、とかく残業が多くなりがちなITエンジニアという職業。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(平成18年)で見ても、超過実労働時間数の全産業平均は14時間(第1表)であるのに対し、「システム・エンジニア」は24時間、「プログラマー」は20時間(第3表)となっている。
しかし、ほとんどのITエンジニアはこの状況を「なんとかしたい」と感じているはずだ。
そこで今回、@IT自分戦略研究所では、残業に関するアンケートを実施。現在の残業時間、残業が発生する理由、残業に対する会社側の姿勢などの設問で「ITエンジニアの残業の現実」を把握し、さらに残業を減らすための工夫とその効果、空いた時間で何をするかについて聞いてみた。
211人のITエンジニアが回答を寄せてくれた。「残業を減らしたい!」と願う読者は、ぜひ参考にしてほしい。
まずは月間の残業時間と、希望する残業時間(実現可能と思われる範囲で)を聞いた。その結果をグラフにしたものが図1だ。
現在の残業時間の平均は39時間。これに対して、実現可能な範囲内で希望する残業時間の平均は23時間であり、16時間の差が出ている。理想と現実の間に溝があることがうかがえる。
グラフからは、半数以上のITエンジニアが、月間残業時間は20時間未満に抑えたいと考えていることが分かる。30時間未満に抑えたいITエンジニアを含めると、全体の7割強になる。しかし実際に残業時間が30時間未満であるITエンジニアは、全体の4割程度だ。
この状況は、それぞれのITエンジニアの部署内においても同様なのだろうか。残業時間が同じ部署のほかのメンバーに比べて多いのか少ないのかを、5段階で聞いてみた(図2)。
5段階に突出した差は見られない。残業時間を同じ部署のほかのメンバーに比べると、42.7%がどちらかといえば少ない、35.8%がどちらかといえば多いと感じている。
次に、「残業をしている」と答えたITエンジニアに、その理由を聞いた(図3)。
「ノルマ・仕事量」が53.9%と半数以上を占め、以下「自分の考え・意志」(26.0%)、「圧力・雰囲気」(14.2%)と続く。
そのほか(4.9%)には「残業代目当て」というものもあったが、ほとんどが「人がいない」「個人に仕事が偏る」など、やむを得ず……という内容の回答だった。全体の4分の3近くのITエンジニアが、自分の考えによらない残業をしているといってよさそうだ。
このようなITエンジニアの残業状況について、雇用側である会社はどのように考えているのか。残業に対する会社の姿勢を聞くと、43.1%が「減らそうとしている」としたが、52.0%が「特に気にしていない」、さらに4.9%が「増やそうとしている」と答えている。残業時間の削減を会社に頼るわけにはいかないようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.