本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を解説します。CCNAは、2007年12月に改訂されたばかりで、2008年1月現在、新試験の情報がまだ少ない状況です。よって本連載は、改訂前の試験(640-801J)で解説をしますが、新試験の解説が可能になり次第、新試験(640-802J)も含めて解説していきます。
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前回「シスコ ソフトウェアの基礎」に続き、シスコシステムズの制御用OSであるCisco IOSについて学習します。
Cisco IOSでは、セキュリティ機能として「ユーザーモード(ユーザーEXECレベル)」と「特権モード(特権EXECレベル)」の2つのアクセスレベルがあります。ユーザーモードでは、基本的なモニタコマンドだけを使用できます。特権モードでは、すべてのルータコマンド(設定や管理など)にアクセスすることができます。
詳細な設定を行うには、「グローバルコンフィグレーションモード」と「特定コンフィグレーションモード」を使用します。ルータに名前を設定したり、パスワードを設定するには、特権モードからグローバルコンフィグレーションモードに移行します。特定のポート(インターフェイスやコントローラなど)を設定するには、特定コンフィグレーションモードを使用します。
ルータが起動した直後はユーザーモードです。特権モードに移行するには、enableコマンドを使用します。ユーザーモードではプロンプトに「>」が含まれ、特権モードでは、プロンプトに「#」が含まれています。記号の前に表示されるのはルータに設定したホスト名です。
Router>enable Router# |
特権モードからユーザーモードに戻るには、disableコマンド、ログアウトするにはexitコマンドを使用します。
Router#disable Router> |
グローバルコンフィグレーションモードに移行するには、特権モードにてconfigure terminalコマンドを使用します。グローバルコンフィグレーションモードではプロンプトに「(config)#」が含まれます。
Router>enable |
グローバルコンフィグレーションモードから特権モードに戻るには、exitコマンドを使用します。直接ユーザーモードに戻ったり、ログアウトすることはできません。
Router(config)#exit Router# |
インターフェイスの特定コンフィグレーションモードに移行するには、グローバルコンフィグレーションモードにてinterfaceポート コマンドを使用します。
Router(config)#interface FastEthernet 0/1 Router(config-if)# |
特定コンフィグレーションモードからグローバルコンフィグレーションモードに戻るには、exitコマンドを使用します。endコマンドを使用すると特権モードに戻ることができます。グローバルコンフィグレーションモードと同様、直接ユーザーモードに戻ったり、ログアウトすることはできません。
Router(config-if)#end Router# |
Cisco IOSの設定モードに関する説明として正しいものを2つ選択しなさい。
a.特定コンフィグレーションモードでexitコマンドを使用するとログアウトする
b.ユーザーモードから特権モードに移行するにはenableコマンドを使用する
c.ルータのホスト名を変更するには、特権モードを使用する
d.特権モードでは、プロンプトが「Router#」になる
e.グローバルコンフィグレーションモードでは、プロンプトが「Router(config-if)」になる
b、d
ルータの起動時にPOSTやCisco IOSの読み込みが終了するとユーザーモードで起動されます。ユーザーモードでは、「Router>」のように、ルータに設定したホスト名に続けて「>」プロンプトが表示されます。ユーザーモードから特権モードに移行するには、選択肢bのとおり、enableコマンドを使用します。
特権モードの場合、選択肢dのとおり、「Router#」のように、ルータに設定したホスト名に続けて「#」プロンプトが表示されます。特権モードからユーザーモードに戻るにはdisableコマンドを使用します。ルータのホスト名を変更するには、選択肢cと異なり、グローバルコンフィグレーションモードを使用します。特権モードでconfigure terminalコマンドを入力してグローバルコンフィグレーションモードに移行すると、「Router(config)」というようにルータに設定したホスト名に続けて「(config)」プロンプトが表示されます。選択肢eの「Router(config-if)」というプロンプトは、特定コンフィグレーションモードのプロンプトです。
インターフェイスを設定する場合、グローバルインターフェイスモードにてinterface ポートコマンドを入力するとインターフェイスの特定コンフィグレーションモードに移行します。特定コンフィグレーションモードでexitコマンドを入力するとグローバルコンフィグレーションモードに戻ります。グローバルコンフィグレーションモードや特定コンフィグレーションモードから直接ログアウトすることはできません。選択肢aのようにexitコマンドでログアウトできるのは、ユーザーモードか特権モードの場合です。
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