Linuxカーネルのコンフィグレーション手順実践でも役立つLPICドリル(5)(3/4 ページ)

» 2008年08月28日 00時00分 公開
[大竹龍史ナレッジデザイン]

演習問題

 ポイントを押さえたら、演習問題に挑戦してみましょう。問題ごとに、LPIC試験での重要度を記載しています。試験を受ける際の参考にしてください。

問題1

 現在カーネルソースを展開したディレクトリにいます。X Window Systemが使えない端末のみの環境ですが、メニュー形式で選択しながらコンフィグレーションファイル.configを生成します。実行する手順はどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)**]


a.make config

b.make menuconfig

c.make xconfig

d.make gconfig

正解

 b

解説

 選択肢aのmake configは単純なテキストベースのインターフェイスであり、X Window Systemがなくても使えますが、順番に質問に答える形式であり、メニュー形式ではないので、間違いです。選択肢cと選択肢dはX Window SystemのGUIツールなので、間違いです。

問題2

 現在カーネルソースを展開したディレクトリにいます。コンフィグレーションファイル.configの生成が終わり、これからmakeコマンドでカーネルを生成するところですが、カスタマイズしたことが分かるようにカーネルバージョンを変更します。編集するファイルはどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)*]


a.README

b.Makefile

c../include/linux/version.h

d../arch/i386/defconfig

正解

 b

解説

a.READMEは人が読むためのドキュメントであって、makeコマンドがその内容を参照するファイルではないので、間違いです。

c../include/linux/version.hは直接編集するファイルではなく、makeコマンドの実行時にMakefileの内容を基にバージョンコードなどを含むファイルとして生成されるので、間違いです。

d../arch/i386/defconfigはデフォルトのコンフィグレーションファイルであって、カーネルバージョンは書き込まないので、間違いです。

問題3

 以前生成したことのあるカーネルを同じ仕様でまた使います。当時生成したカーネルは削除してしまっていたが、そのときに使用したコンフィグレーションファイル.configはホームディレクトリにconfig.oldという名前で残っています。実行すべき適切な手順はどれですか?(2つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)** (level2)*]


a.make xconfig; make bzImage

b.cp ~/config.old .config: make bzImage

c.cp ~/config.old .config: make oldconfig; make bzImage

d.cp ~/config.old .config: make defconfig; make bzImage

正解

 a、c

解説

a.make xconfigを起動し、既存のコンフィグレーション(この問題ではconfig.old)をloadし、そのままsaveすることで、題意を満たすことができるので、正解です。make gconfigでも同様です。

b.単にコピーして.configを用意するだけでなく、関連ファイルを正しく設定する手順を含む必要があるので、間違いです。

c.oldconfigは既存の.configを利用するためのターゲットなので、正解です。

d.コピーした.configはarch/$ARCH/defconfigによって上書きされてしまうので間違いです(元の.configは.config.oldという名前でバックアップされます)。

問題4

 カーネルコンフィグレーション手順の中で、カーネル2.6では必要なく(使えない)、カーネル2.4では必要な手順はどれですか?(1つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)* (level2)*]


a.make dep

b.make clean

c.make zImage

d.make bzImage

正解

 a

解説

 選択肢b選択肢c選択肢dは、2.6でも実行するターゲットなので、間違いです。

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