シスコがデータセンタースイッチNexusの新製品を投入柔軟なデータセンター構成を実現

» 2009年01月29日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]

 米シスコシステムズは1月27日、データセンタースイッチNexusシリーズの拡充を発表した。サーバやストレージを直接つなぎ込む「Nexus 5000」シリーズ、データセンターのコアとなる「Nexus 7000」シリーズの双方で新モデルを提供する。

 シスコがNexusシリーズの最初の製品を発表してからちょうど1年。同シリーズは約250社に導入されたという。Nexusシリーズは大容量の10Gbpsイーサネットスイッチで、ファイバチャネルをイーサネット上で動かすFCoEに対応してサーバとストレージの接続を統合できること、およびサーバ仮想化への対応が主な特徴。

 Nexus 7000シリーズでは、18スロットのシャーシ型スイッチ「Nexus 7018」を発表した。既存の10スロット製品「Nexus 7010」に比較して4U高くなったサイズだが、ギガビットイーサネットは最大768ポート、10Gbpsイーサネットは最大512ポートと、ほぼ2倍のポートを搭載可能。

左がNexus 7018。右の7010より多少大きくなったが、ポート数は約2倍搭載可能

 Nexus 5000シリーズでは逆に、既存の「Nexus 5020」のちょうど半分のサイズ、スイッチング容量の「Nexus 5010」を発表した。Nexus 5010のスイッチング容量は500Gbpsで、1Uに10Gbpsイーサネットを28ポート搭載。拡張モジュールを用いてファイバチャネル接続も可能。

 シスコはNexus 5000シリーズと組み合わせて使える「Nexus 2000シリーズファブリックエクステンダ」も発表した。これはNexusスイッチのラインカードをボックス化したような製品で、ダウンリンク用にギガビットイーサネットポートを48個搭載し、Nexus 5000とは10Gbpsイーサネットケーブルで接続する。ラックごとに設置すれば、サーバをすべて直接Nexus 5000に接続する必要がなくなり、少数のケーブルにより多数のサーバをまとめあげることができる。すべての管理はNexus 5000に対して行えばよい。信頼性向上のため、各Nexus 2000から2台のNexus 5000に接続できる技術も、今後提供する。

 Nexus 5000とNexus 7000間の接続は、スパニングツリーを使う必要がない。Virtual Port Channelという機能でNexus 5000を2台のNexus 7000につなぎ、アクティブ―アクティブで双方にトラフィックを流すことができる。どちらか一方の配線が切れた場合には帯域が半分になるが、スパニングツリーのような収束時間は掛からない。

 サーバ仮想化対応については、VMware ESXの仮想スイッチに代えて導入するソフトウェアスイッチの「Nexus 1000V」を今年前半に提供開始予定。加えて、各仮想マシンにつけたタグ(VNタグ)をハードウェアのNexusスイッチ側で理解し、タグに応じてネットワーク/セキュリティ・ポリシーを適用する機能を今年後半に提供開始する。この場合、サーバ機のネットワークアダプタあるいは仮想マシンに、タグを付ける機能を実装することになる。

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