Aptana Studioはデフォルトの構成では、PHPの開発をサポートしていません。そこで、インストールしたAptana StudioにPHPのサポート機能(プラグイン「Aptana PHP 1.0」)を追加します。
Aptana Studioには、標準でPHPやRailsサポートを追加するアップデートサイトが登録されているので、通常のEclipseのプラグインのインストール手順に従い、PHPサポートプラグインを追加します。
PHPサポート機能を追加するには、Aptana Studioを起動し、Aptana Studioのメニューから[Help]→[Software Updates]→[Find and Install...]を選択し、[Install/Updaes]画面から、[Search for new features to install]を選択します。すると、アップデートサイトの選択画面が表示されるので、[Aptana: PHP Development Environment]を選択します(図2)。
Subversionでバージョン管理を行う場合は、Subversionをサポートする[Subclipse]にもチェックを入れておくとよいでしょう。「Subclipse」を使ったバージョン管理の仕方については、後述します。
次のプラグインの選択画面で、[Aptana: PHP Development Environment]にチェックを入れます(図3)。
後は、一般的なEclipseプラグインのインストールと同じで、使用許諾を承認後、インストール場所を確認してインストールします。
Aptana Cloudのセットアップが完了したら、Aptana Cloudのサイトを作成してみましょう。Aptana Cloudでは、「サイト」にアプリケーションをデプロイして実行します。Aptana Cloudのサイトは、Solarisコンテナとして提供され、ユーザーからはホスティング用の専用サーバが1台与えられたような形になります(実際は、1つのOS上で複数のユーザーで利用できる分割されたOSとして提供されています)。
Aptana Studioでは、[Aptana]パースペクティブを利用して、Eclipseプラグインとして追加されたAptana独自の機能を利用します。初回起動時は、[Aptana]パースペクティブが表示されていますが、ほかのパースペクティブから[Aptana]パースペクティブに切り替えるには、[Window]メニューの[Open Perspective]から[Aptana]を選択するか、右上のAptanaのアイコン(オレンジ色の歯車のようなアイコン)(図4)をクリックします。
[Aptana]パースペクティブにした状態で、Aptanaのメニューの[Hosting]から[Create New Hosted Site ...]を選択し(図5)サイト名を入力します。ここでは、「oka-test」というサイト名にしました。
サイト名を入力すると、プランの選択画面が表示されます(図6)。プランによって、RAMとディスク容量が異なります。有償のプランではより多くのRAMやディスクを利用できます。ここでは、「7 Day Trial」を選択します。右の[SIGN UP]ボタンを押すと、選択されます。
最後に、Aptanaのアカウント情報とサイト情報を入力します(図7)。
まず、アカウント情報(メールアドレス、ユーザーID、パスワード)を入力します。すでにアカウントを作成済みの場合は、右上の[Sign In]からログインすればOKです。アカウント情報を入力したら、画面の下の方の[Chooseyour platform]でプラットフォームを選択します。本稿ではPHPアプリケーションを例に解説するので、[PHP]を選択します。
最後に、[Review the terms of service]でサービスの規約に同意するにチェックし、[Create my site]ボタンを押せば、サイトが作成されます。
次ページでは引き続き、作成したサイトの確認方法やホストの管理方法を解説し、PHPアプリケーションを作成し始めます。
クラウドコンピューティングと呼ばれる技術は、Amazon EC2のような仮想マシン環境を提供するIaaS(Infrastructure As A Service)、Google App Engineに代表されるアプリケーションを実行するプラットフォームを提供するPaaS(Platform As A Service)、Salesforce CRMに代表されるアプリケーションをサービスとして提供するSaaS(Service As A Service)の3つの形態があります(表)。
提供層 | 代表的なサービス |
---|---|
SaaS | Salesforce CRM |
PaaS | Google App Engine、Windows Azure、Aptana Cloud、Force.com |
IaaS | Amazon EC2 |
表 クラウドコンピューティングの代表的なサービス |
いずれも、物理的なマシンはインターネットの向こうのどこかにあり、ユーザーはその場所を意識することなく、利用できるという特徴があります。また、PaaSのサービスにおいては、デプロイしたアプリケーションが自動的に複数のサーバ上で動作するような機構を備えており、そのサービスが1台のマシン上で動いているのか、あるいは複数のマシン上で動作しているのか意識しなくてもよいようになっています。
ユーザーが知らない“雲”の向こうで、仮想マシンやアプリケーションをうまく提供してくれるという意味で、これらの技術は「クラウドコンピューティング」と名付けられています。
ただし、ここで紹介したクラウドコンピューティングは、システム提供者に対するクラウドコンピューティングであり、「エンドユーザーが、PCや家庭用電気製品など、端末やサービスの場所にかかわらずインターネットの向こうにあるサービスを受けることができる」という意味で定義されることもあります。
クラウドコンピューティングのサービスの分け方は諸説ありますので、各クラウドサービスの違いなども含めて詳しく検討したい方は、下記記事もご参照ください。
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