ヴイエムウェアは5月21日、同日より販売パートナーを通じて「VMware vSphere 4」の国内出荷を順次開始すると発表した。
vSphere(ヴイスフィア)4はヴイエムウェアのサーバ仮想化プラットフォーム製品群の最新版。拡張性を強化するとともに、ハードウェアの仮想化支援機能を活用することで高速化を図った。また、フォールトトレランスを実現するVMware FTなどの新機能で利用シーンを拡大した。
価格面でのニュースとしてはまず、小規模環境向けの新たなパッケージ「VMware vSphere Essentials」(予想価格12万4000円)および「VMware vSphere Essentials Plus」(予想価格37万4000円)がある。ヴイエムウェアは従来も中堅・中小企業向けに既存パッケージのディスカウント版を提供していたが、今回は小規模環境向けに特別パッケージを用意した。
どちらも最大2CPU搭載の物理サーバ最大3台までの環境に限定される。しかし、マルチコアCPU搭載サーバを使えば比較的大規模な環境を構築できる。例えばクアッドコアCPUを2基搭載するサーバを3台用いれば、24コアの環境がつくれる。機能はEssentialsの場合、ベーシックなサーバ統合環境を構築するためのものに限られているが、Essentails Plusの場合、VMotionはないものの、VMware HAが付属する。管理サーバのvCenter Serverを含め、3台のサーバを仮想化するためのライセンスはすべて価格に含まれている。
一般向けのエディションは次のとおり。価格はすべて1CPU当たりのもので、サポート費は含まれていない(機能との対比については発表時の記事に掲載)。
VMware vSphere Standard(予想価格9万9000円)
VMware vSphere Advanced(予想価格28万円)
VMware vSphere Enterprise(予想価格35万9000円)
VMware vSphere Enterprise Plus(予想価格43万6000円)
VMware Infrastructure 3における価格と比較すると、vSphere 4では実質的に値下げとなっている。例えばVI3のEnterpriseの市場予想価格は90万円(2CPU、1年間のゴールドサポート費含む)だった。vSphere EnterpriseはこれにVMware FTなどの重要な機能が追加されたにもかかわらず、価格は35万9000円となっている。
Enterprise Plusには、複数物理サーバにまたがって単一の仮想スイッチを構築できる「vNetwork Distributed Switch」を搭載。これはシスコシステムズが発表しているvSphere 4用の分散仮想スイッチ「Nexus 1000V」とは異なる。Nexus 1000Vはシスコが6月上旬以降、1CPU当たり695ドルで販売するほか、ヴイエムウェアも同時期に提供開始するEnteprise Plusよりも上位のエディションに含めた形で販売するという。
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