BigtableデータをApp EngineのJSPで日本語表示Google App Engineで手軽に試すJavaクラウド(2)(4/4 ページ)

» 2009年05月26日 00時00分 公開
[清野克行有限会社サイバースペース]
前のページへ 1|2|3|4       

データ書き込み用サーブレット

 サーブレットは、先ほどのリスト2をリスト6のように変えます。

package guestbook;
 
import java.io.IOException;
import java.util.Date;
import javax.jdo.PersistenceManager;  //  【1】
import javax.servlet.http.*;
import com.google.appengine.api.users.User;
import com.google.appengine.api.users.UserService;
import com.google.appengine.api.users.UserServiceFactory;
import guestbook.Greeting;  //  【2】
import guestbook.PMF;       //  【2】
 
public class SignGuestbookServlet extends HttpServlet {
    public void doPost(HttpServletRequest req, HttpServletResponse resp)
    throws IOException {
        UserService userService = UserServiceFactory.getUserService();
        User user = userService.getCurrentUser();
        String content = req.getParameter("content");
        Date date = new Date();
        //  【3】始まり
        Greeting greeting = new Greeting(user, content, date);
        PersistenceManager pm = PMF.get().getPersistenceManager();
        try {
            pm.makePersistent(greeting);
        } finally {
            pm.close();
        }
        //  【3】終わり
        resp.sendRedirect("/guestbook.jsp");
    }
}
リスト6 SignGuestbookServlet.java

 リスト6でデータストアへのアクセスに直接関係するコード記述は、【1】〜【3】がすべてです。

 【1】でPersistenceManagerクラスをインポートし、次に【2】で、ここで作成したGreetingとPMFクラスをインポートします。

 【3】では、最初に作成したGreetingクラスのインスタンスgreetingを生成します。前に見たように、コンストラクタ呼び出しによって、登録するデータ項目の値が永続化指定のメンバ変数にセットされます。次の行では、これも作成済みのPMクラスのgetメソッドからPersistenceManagerのインスタンスpmを生成し、最後にpmインスタンスのメソッドmakePersistentを、引数にgrettingを指定して実行すると、データストアへの登録が行われます。

 【3】での登録(永続化)処理終了後、「resp.sendRedirect("/guestbook.jsp");」のリダイレクトでJSPの表示に切り替わります。この中では、直前に登録したばかりのデータをJSPで検索・表示することになります。

BigtableデータをSQLライクに参照できるJDOQLとは?

 以上がデータストアへの登録処理でしたが、次にJSPでのデータの参照について見ていきます。リスト1をリスト7のようにデータストア・エンティティの参照表示ができるように変えます。

<%@ page contentType="text/html;charset=UTF-8" language="java" %>
<%@ page import="java.util.List" %>
<%@ page import="javax.jdo.PersistenceManager" %>
<%@ page import="com.google.appengine.api.users.User" %>
<%@ page import="com.google.appengine.api.users.UserService" %>
<%@ page import="com.google.appengine.api.users.UserServiceFactory" %>
<%@ page import="guestbook.Greeting" %>
<%@ page import="guestbook.PMF" %>
<html>
  <body>
<%
    UserService userService = UserServiceFactory.getUserService();
    User user = userService.getCurrentUser();
    if (user != null) {
%>
      <p>今日は <%= user.getNickname() %>! (ここから<a href="<%= userService.createLogoutURL(request.getRequestURI()) %>">サインアウト</a>できます。)</p>
<%
    } else {
%>
      <p>今日は!<a href="<%= userService.createLoginURL(request.getRequestURI()) %>">サインイン</a>すると送信メッセージがサインイン名付で表示されます。</p>
<%
    }
%>
 
<%
    PersistenceManager pm = PMF.get().getPersistenceManager();                   //  【1】
    String query = "select from " + Greeting.class.getName()+ " order by date";  //  【1】
    List<Greeting> greetings = (List<Greeting>) pm.newQuery(query).execute();    //  【1】
    if (greetings.isEmpty()) {
%>
      <p>The guestbook has no messages.</p>
<%
    } else {
        for (Greeting g : greetings) {
            if (g.getAuthor() == null) {
%>
      <p>匿名ユーザの書き込み</p>
<%
            } else {
%>
      <p><b><%= g.getAuthor().getNickname() %></b>の書き込み:</p>
<%
            }
%>
      <blockquote><%= g.getContent() %></blockquote>
<%
        }
    }
    pm.close();
%>
    <form action="/sign" method="post">
      <div><textarea name="content" rows="3" cols="60"></textarea></div>
      <div><input type="submit" value="メッセージ送信" /></div>
    </form>
  </body>
</html>
リスト7 guestbook.jsp

 リスト6で赤太字の部分がデータストアアクセスに関係する部分ですが、その中でも【1】がポイントになります。

 【1】の最初の行では、作成したPMクラスを使用してインスタンスpmを生成しています。これは、前の登録処理でも行われていたもので、データストアアクセスで必須の定型的な処理です。

 次の行で文字列queryにセットされる「select……」の記述は、RDBのSQL文に似た書式ですが、JDOにアクセスする文なので「JDOQL」と呼ばれます。

 ここでのJDOQLは、サーブレットで登録した内容を全件・検索して日付け昇順に表示する処理内容となっています。fromの後の「Greeting.class.getName()」の部分は、GAEサイトのサンプル記述によるものです。これを「guestbook.Greeting」に変え、JDOQLを次のように書き換えても問題ありません。

String query = "select from guestbook.Greeting order by date";

 つまり、アクセス対象となるデータストアオブジェクトは「パッケージ名.データクラス名」になっているのです。

 3行目では、2行目で設定したqueryを引数にデーストア検索を実行します。返される値はコレクションとなり、List型で受け取ります。後は、リストから順にデータを取り出して処理します。「(if (g.getAuthor() == null))」で、サインインユーザーか否かで表示内容を切り分けながら、1件ずつ書き込み内容である「g.getContent()」を表示していきます。

次回は、jQueryでAppEngineアプリをAjax化!

 今回はJSPでのUI表示とBigtableへのアクセスを中心に見てきましたが、次回はjQueryと組み合わせてみたいと思います。

 ご存じだとは思いますが、AjaxはGoogleマップによって世に広められ、Googleドキュメントなどにも使われています。GAEjのUIにもAjax(jQuery)を適用してリッチクライアントにしていきましょう。またBigtableについても、もっと理解を深めていきたいところです。次回は、このような内容について解説していく予定です。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

AI for エンジニアリング
「サプライチェーン攻撃」対策
1P情シスのための脆弱性管理/対策の現実解
OSSのサプライチェーン管理、取るべきアクションとは
Microsoft & Windows最前線2024
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。