グローバルスペシャリスト人材紹介会社のロバート・ウォルターズは5月27日、2009年第1四半期(1月から3月)のアジア雇用指数「ロバート・ウォルターズ アジア雇用指数」を発表した。
同指数は、日本、中国、香港、シンガポールの4カ国における大手求人サイトや国内紙に掲載された雇用枠に関する求人数を追跡記録した。
2009年第1四半期の求人広告数は、2008年第4四半期と比較すると、4カ国全体で6.2%減少した。しかし、2008年第4四半期は毎月すべての国で求人広告数が減少していったのに対して、2009年第1四半期は日本以外の国では広告数が増加した。
日本の求人広告数は、第1四半期の間も常にマイナス成長。2009年第1四半期の求人広告数は、2008年第4四半期の合計と比較すると、20.6%減少している。同社は日本の傾向について「輸出主導型経済で、海外の個人消費への依存度がほかのアジア諸国に比べて顕著である」ためと分析している。
中国では、1月から2月初旬にかけて広告数が少なかったが、同社は中国の春節(旧正月)の影響を理由に挙げている。香港では、中国と同様に1月が最も低調だったが、2月以降は盛り返した。求人が堅調だったのは医療、美容、日用消費財などのリテール関連分野だった。シンガポールでは、第1四半期中に全体として求人広告数に大幅な変化は見られなかった。
職種別に見てみると、「ITスーパバイザー/マネージャー/プログラマ/データベースアドミニストレータ」の求人広告数は、日本が31.6%減少し、ほかの国はそれぞれ中国が49.6%、香港が22.6%、シンガポールが1.3%上昇した。
「エンジニア/検査官/建築士/技術者」については、日本が20.9%の減少、中国は32.6%、香港は60.5%、シンガポールは25.5%の上昇と、やはり日本以外の国がすべて広告数を増やしている。
中国では、IT部門を中国へアウトソーシングしているIBMやHPなどの多国籍企業間が情報技術分野の専門家に対する求人を増やした。
シンガポールは、「ITスーパバイザー」系の職種はそれほど伸びなかったものの、「エンジニア」や「技術者」に対する求人は増加。同社は、「インフラプロジェクトに向けて政府から支出があったため」と分析している。
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