ここからは、Droolsが動作する環境を作り、サンプルの解説を通じてDroolsおよびビジネスルールを理解していただきます。なお、このサンプルの動作環境はWindows上で構築する前提で解説しますので、そのほかの環境を使用される方は適宜読み替えてください。また、Javaの実行環境はすでに導入済みであることを前提にします。
JBoss CommunityのサイトにあるDroolsのダウンロードページからスタンドアロン版を取得してください。ダウンロードページにあるDrools Guvnorをダウンロードします(執筆時は「Drools 5.0 Guvnor Standalone」を使用しました)。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、Drools Guvnorが組み込まれたJBossアプリケーションサーバのフォルダができるので、これをCドライブの直下など、任意の場所に配置します。
Drools Guvnorの導入は、これだけです。正常に動作するか確認するため、一度インストールディレクトリにある「bin/run.bat」からJBossアプリケーションサーバを起動してください。特にエラーログが出力されなければ、「http://localhost:8080/drools-guvnor/」にアクセスし、ログインページが表示されていることを確認してください。
なお終了する際はJBossアプリケーションサーバのコンソールで[Ctrl]+[C]キーを押すと終了します。
Droolsでビジネスルールを作成し、どのように実行するかを理解するためのサンプルをインストールします。先ほどのDroolsのダウンロードページから「Drools 5.0 Examples」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍し任意の場所に置いてください。
サンプルのインストールはDrools Guvnorを使いますので、先ほどご説明した方法でWebブラウザからDrools Guvnorの画面を開いてください。
ログイン画面が表示されたら、User nameに「admin」と入力し、「OK」ボタンを押下してください。なお、この時点ではDrools Guvnorのユーザー認証機能は機能していません。しかし、認証機能については後の手順で機能するように修正します。
まずは、Drools Guvnorにサンプルアプリケーションをインポートします。ログイン後の画面でNavigateメニューにある「Administration」セクションの「+」ボタンを押下し、メニューの中身を表示し、「Import Export」アイコンをクリックします。
この画面で「参照」ボタンを押下し、先ほどダウンロードしたサンプルの「drools-examples\drools-examples-brms\mortgage-example\mortgage-sample-repository.xml」を選択し、「Import」ボタンを押下するとサンプルがDrools Guvnor上にインポートされます。
サンプルがインポートされたかどうか確認するにはNavigateメニューにある「Browse」セクションの「+」ボタンを押下し、メニューの中身を表示し、ツリー上の「Assets/By Category」を展開して以下のように表示されていれば、正しくインポートされています。
次に、ユーザーを作成し、認証機能を有効にします。ログイン後の画面でNavigateメニューにある「Administration」セクションの「+」ボタンを押下し、メニューの中身を表示し、「User permission」アイコンをクリックします。
この画面で「Create new user mapping」を押下してユーザーを追加します。追加するユーザーは以下のとおりです。
ユーザー名 | 権限 | 権限を付与する対象 |
---|---|---|
admin | admin | 設定個所なし |
BA | analyst.readonly | Home Mortgage/Pricing rules |
表1 追加ユーザー一覧 |
ユーザーを追加したら、JBossアプリケーションサーバをいったん終了します。終了後、JBossアプリケーションサーバのインストールディレクトリにある「server\default\deploy\drools-guvnor.war\WEB-INF\components.xml」を開き、以下の個所を修正します。
<security:role-based-permission-resolver enable-role-based-authorization="false"/> <security:role-based-permission-resolver enable-role-based-authorization="true"/>
以上で、Drools Guvnor側の設定は完了です。次ページでは、jサンプルを動作させるためのクライアントアプリケーションをJBoss Toolsにインポートします。
なおJBoss Toolsの環境構築がまだの読者は、本連載の第2回「“全部入り”のEclipseで学ぶ統合開発環境の常識」に導入方法の記載がありますので、そちらを参照しておいてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.