Navigateメニューの「Package snapshots」セクションを開き、ツリー「Package snapshots/mortgages/TEST」を選択し、スナップショット画面を開きます。「スナップショット」とはGuvnor上にデプロイされたルールを指します。
ここで表示されるパッケージツリーの「mortgages/Business rule assets」を選択します。すると、このスナップショットで使用するルールが一覧で表示されます。
ルールの左にアイコンが付いています。これはルールの種類を表しています。「Pricing loans」は決定テーブルを表し、それ以外はビジネスルールを表しています。
表3 サンプルにあるルールの種類 | |||||||||
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では、ビジネスルールの「Bankruptcy history」を開いてみます。
このビジネスルールは、LoanApplicationの別名を「a」として定義し、「Bankruptcy(破産情報)」が存在し、かつ「yearOfOccurrence(発生日)」が1990以降、かつ「amountOwed(借入金)」が10000以上の場合、LoanApplicationの「approved(審査結果)」にfalseを設定し、「explanation(説明)」に、審査に落ちた理由を設定します。そして最後に、「Retract」で実行しているセッション上からLoanApplicationを取り下げます。
なお今回のサンプルでは、用意されているすべてのビジネスルールの条件に合致しません。そのため、ビジネスルールは適用されません。
次に、決定テーブルの「Pricing loans」を開きます。
この決定テーブルでは借入金額、借入期間、収入源、頭金から融資の審査を行っています。表にある矢印の左側が条件になり、合致する行があると矢印の右側の値が設定されます。サンプルでは2行目の条件に合致するので、2行目の結果が実行結果として表示されています。
今回は、BRMS・ESB・SOAの常識について説明しました。今後、読者の皆さんがビジネスルールに携わることになったら、ここでの知識を少しでも生かしていただければと思います。
本連載も、今回で最後となりました。全体を通じて、「エンタープライズをターゲットとしたオープンソースのソフトウェアからイロハを学ぶ」というアプローチで、企業システムの全体像を把握できたかと思います。
しかし、今回冒頭でお話ししたように、企業を取り巻く環境は急速に“変化”し、それに対応するための企業システムは“進化”し続けています。JBossも例外ではありませんし、ほかのソフトウェアプロダクトも同じ状況といえます。新しいプロダクト、新しいコンポーネント、新しい機能がリリースされますし、既存部分もブラッシュアップされていくことでしょう。それはまさに、企業システムが進化していることにほかなりません。
本連載は、「現時点での」企業システムの常識といえます。そのため、企業システムの進化に従って、使う側の知識も更新していくことが求められるかと思います。その際には、本連載の内容、アプローチ方法を参考にしていただけると幸いです。
2008年より株式会社ビーブレイクシステムズに在籍
佐脇 愛史(さわき なるふみ)
長年の保守業務から更なるスキルアップを目指し現在に至る。ユーザー目線でシステムの使いやすさを第一に考えたシステムの設計、開発を日々課題とする
株式会社ビーブレイクシステムズ開発部所属
相原 淳(あいはら じゅん)
専門分野:Webシステム開発・保守
2008年よりビーブレイクシステムズに在籍。
前職では、Javaを用いたWEB系のシステム開発や保守作業に従事。Javaの開発を行っていく中で、オープンソースに興味を持ち、その分野で活躍できるビーブレイクシステムズに転職し、現在に至る。
2008年より、株式会社ビーブレイクシステムズに在籍
多田 丈晃(ただ たけあき)
システム開発の様々な工程を経験し、果ては新人研修まで担当したが、さらなる高みを目指してJavaとOSSに強いビーブレイクシステムズの門をたたく。
同僚の知識量と能力の高さに驚きつつ、日々研鑽を続けている。
株式会社ビーブレイクシステムズ技術担当取締役
上川 伸彦(かみかわ のぶひこ)
RDB製品の開発、各種業界団体におけるXML/EDI標準の策定やSOA基盤の設計などに従事。最近は、ITコンサル業よりも、業務システムの構築に携わることが多く、お客さまからの無理難題と向き合う日々を送っている。
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