iPhone/iPod touchにはブラウザとしてSafariが搭載されており、SafariでGmailのページを開けばGoogle Contacts(Gmailの連絡先)の確認・編集が可能だ。しかしGoogleのモバイル表示形式では、「よく使う連絡先」しか表示されない。すべての連絡先を表示するには、PC表示形式に変更し、左側にある[連絡先]リンクをクリックし、[すべての連絡先]タブを開かなければならず、少々面倒だ(App Storeで配布されているGoogle Mobile Appも同様)。
そこでGmailの連絡先をiPhone/iPod touchの連絡先に読み込むように設定しておくとよい。インターネットに接続した状態でGoogleの連絡先を読み込んでおけば、インターネットに接続できない環境でも連絡先が確認できるようになる。
設定方法は、iPhone/iPod touchのホーム画面の[設定]から[メール/連絡先/カレンダー]をタップし、次の画面(メール/連絡先/カレンダー)で[アカウントを追加]をタップする。ここでは、「第3回 iPhone/iPod touchのカレンダー機能」でカレンダーを同期した場合と同様、Googleの携帯端末向けのデータ同期サービス「Google Sync」を利用する。Microsoft Exchange用のセットアップ・メニューからアカウントの設定を行うことでGoogleの連絡先との同期が可能になる。
設定手順だが、[アカウントを追加]をタップして表示される画面の次で「Microsoft Exchange」を選択し、「メール」に適当な名前を入力し、「ユーザ名」「パスワード」には同期したいGmailのGoogleアカウント(xxxx@gmail.com)とパスワードを入力する。「説明」がアカウントの名前となるので、「Gmailの連絡先」など分かりやすいものにしておくとよい。右上の[次へ]ボタンをタップすると、「サーバ」という欄が新しく表示されるので、ここに「m.google.com」と入力する。そして右上の[次へ]ボタンをタップすると、同期する項目(「メール」「連絡先」「カレンダー」)が表示されるので、「連絡先」をオンにする。右上の[完了]ボタン(あるいは[保存]ボタン)をタップすると、同期が開始される。
[D]
すでにメールやカレンダーの同期設定として、この設定を行っている場合は、設定済みのアカウント名をタップし、[連絡先]をオンにすればよい。
「Microsoft Exchange」で連絡先を同期するように設定した場合、iTunesを介した同期の場合と異なり、Gmailの連絡先に追加設定したフリガナも正しく読み込まれた。無線LANを介してインターネットに接続できる環境なら簡単に同期が行えるので、iTunesを介して同期するよりも、この「Microsoft Exchange」で連絡先を同期するようにした方がよいだろう。
連絡先は、重要な個人情報である。万が一、iPhone/iPod touchを紛失してしまった場合、そこに保存されている連絡先が悪用される危険性がある。そこで、連絡先などの重要な情報を保存するような場合、iPhone/iPod touchの自動ロックを有効にし、ロックを解除する際([ロック解除]の矢印を右側にスライド)にパスコードを入力するように設定しよう。
まず、ホーム画面の[設定]−[一般]を開き、[自動ロック]をタップし、起動したまま放置した際にロック(スリープ)に移行するまでの時間を設定する。時間が短いと、すぐにロックされてしまうので、自分の利用方法に合わせて時間を設定するとよい。
次に、[自動ロック]のすぐ下にある[パスコードロック]をタップし、次の[パスコードロック]画面で[パスコードをオンにする]をタップして、パスコードを入力する。[パスコードロック]画面の下側にある[簡単なパスコード]が[オフ]になっている場合は、アルファベットや数字がパスコードとして設定可能だ。セキュリティ的には、[簡単なパスコード]を[オフ]にした状態で、推測が難しいパスコードを設定するのが望ましい。
[E]
しかし毎回ロックを外すたびに、iPhone/iPod touchの小さなキーボードで何文字も入力したくないという人もいるだろう。そのような場合は、[簡単なパスコード]を[オン]にしよう。パスコードとして4けたの数字しか設定できなくなるので、セキュリティ的には弱くなるが、パスコードロックを設定しないよりはデータを盗まれる可能性を低くできるだろう。
パスコードを有効にすると、電源オフあるいはスリープからの復旧直後に表示される[ロック解除]の矢印を右側にスライドした後に、パスコードの入力画面が表示される。ここで正しいパスコードを入力すると、はじめてロックが解除される。なお、パスコードを設定すると、パスコードの変更を行う際にもパスコードの入力が求められるようになる。また、[パスコードロック]画面の[データを消去]を[オン]にすると、パスコードの入力に10回失敗すると、iPhone/iPod touch上の全データが消去されてしまうので、十分に検討してから、ここを[オン]にするようにしよう。
なお、パスコードを忘れてしまった場合は、iTunesに接続し、[復元]ボタンをクリックし、初期状態に戻すことでパスコードを無効化できる。ただし、これまでiPhone/iPod touchに保存していたデータは失われてしまう(iTunesにバックアップがある場合は書き戻せるが)ので、忘れないようなパスコードを設定するようにしよう。
このようにiPod touch/iPhoneの連絡先は単独でも利用でき、さらにOutlookや、Gmailの連絡先などのインターネット上のサービスとの同期も可能になっている。同期方法によっては、せっかく追加したフィールドが無視されて、iPod touch/iPhoneの連絡先に同期されてしまうが、氏名や住所、電話番号、メール・アドレスなど主要なフィールドは同期できるので、実用上大きな問題はないだろう。
標準の連絡先機能に不満がある場合でも、App Storeを検索すれば無料/有料のものが複数見つかるので、これらから気に入ったアプリケーションをダウンロードして利用するとよい。特にカメラを搭載しているiPhoneやiPod touch 第4世代では、カメラで撮影した名刺をOCRで読み取ってアドレス帳に登録して管理できるようなアプリケーションも提供されている。こうしたアプリケーションを試してみるのもよいだろう。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.