MSTの概要と設定方法を学習するCCNP対策講座 SWITCH編(4)(2/2 ページ)

» 2011年03月01日 00時00分 公開
[内藤佳弥子グローバル ナレッジ ネットワーク]
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MSTの設定と確認

 MSTを有効にするには、まずSwitch(config)#spanning-tree mst configurationを入力し、MSTコンフィグレーションモードを指定します。

  • 領域名の設定
Switch(config-mst)#name   <name>

 <name>には、領域名を32文字で指定します。領域名は大文字・小文字を区別します。

  • リビジョン番号の設定
Switch(config-mst)#revision <number>

 <number>には、0〜65535の数字を指定できます。

  • VLAN番号とインスタンスの対応付け
Switch(config-mst)#instance  <instance number>  vlan  <vlan-range>

 <instance number>にはインスタンス番号を、<vlan-range>にはVLANの範囲を指定します。インスタンス番号は0〜15の数字を、VLAN番号は1〜4094の数字を指定することができます。

  • MST設定モードで行った設定の確認
Switch#show spanning-tree mst configuration

 以下の表示結果の場合は、領域名はcisco、リビジョン番号は1、インスタンス1にVLAN番号1〜10がマッピングされています。

  • show spanning-tree mst configurationの表示結果
Name    [cisco]
Revision 1
Instance Vlan mapped
------------------------
0	11-4904
1	1-10
------------------------
  • MSTを有効にする
Switch(config)#spanning-tree  mode mst

 このコマンドを入力するまで、MSTは有効になりません。

確認問題2

  • 問題

 MSTを有効にするためのコマンドを、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。

a.Switch(config)#spanning-tree mst
b.Switch(config)#spanning-tree mode rstp
c.Switch(config)#spanning-tree mode mst
d.Switch(config)#spanning-tree mode pvst

  • 正解

 c

  • 解説

 Switch(config)#spanning-tree mode mstを使用すると、MSTでスパニングツリー計算を行うようになります。CatalystスイッチにおけるデフォルトのスパニングツリーモードがPVST+(Per VLAN Spanning Tree Plus)のため、MSTを有効にするには、コマンドによる設定が必要です。よって、正解はcです。

MSTの検証

 show spanning-tree mst <instance number>コマンドは、特定のMSTインスタンス構成情報を表示します。

 この表示結果では、インターフェイスFa1/47ポートのType列は、p2p bound(STP)という表示になっています。これはFa1/47ポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させていることを表しています。

インターフェイスFa1/47では、STP、RSTP、または異なるMST領域のBPDUを受信しています。

Switch#show spanning-tree mst 1
〜省略〜
Interface Role  Sts  Cost   ZPrio.Nbr Type
--------- ----- ---- ------ --------- ---------------
Fa1/4     Back  BLK  1000   240.196   p2p
Fa1/5     Desg  FWD  200000 128.197   p2p
Fa1/47    Boun  FWD  200000 128.240   p2p bound(STP)

確認問題3

  • 問題

 show spanning-tree mst <instance number>コマンドで、Type列にp2p bound(STP)と表示されている場合の正しい説明を、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。

a.ポートの対向側で、MSTを動作させている
b.このポートでは、MSTを動作させていない
c.このポートでは、802.1Dを動作させることができない
d.ポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させている

  • 正解

 d

  • 解説

 正解はdです。このポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させていることを表しています。

筆者紹介

内藤佳弥子(ないとうかやこ)

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら



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