MSTを有効にするには、まずSwitch(config)#spanning-tree mst configurationを入力し、MSTコンフィグレーションモードを指定します。
Switch(config-mst)#name <name>
<name>には、領域名を32文字で指定します。領域名は大文字・小文字を区別します。
Switch(config-mst)#revision <number>
<number>には、0〜65535の数字を指定できます。
Switch(config-mst)#instance <instance number> vlan <vlan-range>
<instance number>にはインスタンス番号を、<vlan-range>にはVLANの範囲を指定します。インスタンス番号は0〜15の数字を、VLAN番号は1〜4094の数字を指定することができます。
Switch#show spanning-tree mst configuration
以下の表示結果の場合は、領域名はcisco、リビジョン番号は1、インスタンス1にVLAN番号1〜10がマッピングされています。
Name [cisco] Revision 1 Instance Vlan mapped ------------------------ 0 11-4904 1 1-10 ------------------------
Switch(config)#spanning-tree mode mst
このコマンドを入力するまで、MSTは有効になりません。
MSTを有効にするためのコマンドを、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。
a.Switch(config)#spanning-tree mst
b.Switch(config)#spanning-tree mode rstp
c.Switch(config)#spanning-tree mode mst
d.Switch(config)#spanning-tree mode pvst
c
Switch(config)#spanning-tree mode mstを使用すると、MSTでスパニングツリー計算を行うようになります。CatalystスイッチにおけるデフォルトのスパニングツリーモードがPVST+(Per VLAN Spanning Tree Plus)のため、MSTを有効にするには、コマンドによる設定が必要です。よって、正解はcです。
show spanning-tree mst <instance number>コマンドは、特定のMSTインスタンス構成情報を表示します。
この表示結果では、インターフェイスFa1/47ポートのType列は、p2p bound(STP)という表示になっています。これはFa1/47ポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させていることを表しています。
インターフェイスFa1/47では、STP、RSTP、または異なるMST領域のBPDUを受信しています。
Switch#show spanning-tree mst 1 〜省略〜 Interface Role Sts Cost ZPrio.Nbr Type --------- ----- ---- ------ --------- --------------- Fa1/4 Back BLK 1000 240.196 p2p Fa1/5 Desg FWD 200000 128.197 p2p Fa1/47 Boun FWD 200000 128.240 p2p bound(STP)
show spanning-tree mst <instance number>コマンドで、Type列にp2p bound(STP)と表示されている場合の正しい説明を、次の選択肢の中から1つ選択しなさい。
a.ポートの対向側で、MSTを動作させている
b.このポートでは、MSTを動作させていない
c.このポートでは、802.1Dを動作させることができない
d.ポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させている
d
正解はdです。このポートの対向側で、異なる種類のスパニングツリーを動作させていることを表しています。
内藤佳弥子(ないとうかやこ)
グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部に在籍。IT業界でヘルプデスク、ユーザーサポートを経てトレーナーになる。現在は、Cisco認定トレーナーとして、CCNA、CCNPのコースなどのCisco認定トレーニングコース、ネットワーク系オリジナルコースを担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら。
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