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» 2011年05月20日 00時00分 公開

VLAN間ルーティングを学習するCCNP対策講座 SWITCH編(5)(2/2 ページ)

[齋藤理恵,グローバル ナレッジ ネットワーク]
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レイヤ3スイッチを使用したVLAN間ルーティング

 レイヤ3スイッチはスイッチングに加え、ルーティングの処理も可能ですので外部ルータを使用することなくVLAN間ルーティングを実装できます。今日のネットワークでは、外部ルータよりもレイヤ3スイッチでVLAN間ルーティングを実装することが多くなっています。

 レイヤ3スイッチでVLAN間ルーティングを実装するにはまずVLANを作成し、作成したVLANと内部の仮想的なルータを関連付けます。内部の仮想的なルータの仮想インターフェイスをSVI(Switch Virtual Interface)と呼びます。1つのVLANに対して1つのSVIを関連づけられます。このSVIに設定したIPアドレスが、ホストのデフォルトゲートウェイになります(図3)。

図3 レイヤ3スイッチはVLAN間のルーティングも可能 図3 レイヤ3スイッチはVLAN間のルーティングも可能

 レイヤ3スイッチを使ってVLAN間のルーティングを可能にするには以下のように設定します。

<ルーティング有効化>
Switch(config)#ip routing
<SVIの作成>
Switch(config)#interface vlan 
Switch(config-if)#ip address address subnetmask →1つのVLANに対して1つのSVIが関連づけられます。VLANが存在しない場合は作成する必要があります。
<ルーティングテーブル確認>
Switch#show ip route

 また、あて先によってL2処理をすべきかL3処理をすべきか区別する必要があります。例えばVLAN10に所属しているホストaからホストbあてにフレームを送信するとき、MACアドレステーブルを参照してフレームを転送するため、L2処理が必要ということになります。この場合はイーサネットヘッダを書き換えることはありません。

 ホストaからホストcあてに送信するときは、VLANが異なるためルーティング(L3処理)が必要です。つまり、ヘッダの中身を書き換える必要があります。ルーティング後のMACアドレスが書き換わり、TTLの値は1つ減り、チェックサム、トレーラは再計算となります。(図4

図4 VLANをまたいでフレームを送信するときはヘッダの書き換えなどが必要。クリックすると拡大 図4 VLANをまたいでフレームを送信するときはヘッダの書き換えなどが必要。クリックすると拡大

確認問題2

  • 問題

SVIについて適切に説明しているものを2つ選択しなさい。

a.VLANと関連づけられている仮想インターフェイス
b.VLANと関連づけられている物理インターフェイス
c.複数のVLANと関連づけられている仮想インターフェイス
d.ホストにデフォルトゲートウェイを提供する

  • 正解

 a、d

  • 解説

 SVIはVLANと関連づけられている仮想インターフェイスです。1つのVLANに対して1つのSVIが関連づけられます。SVIに設定したIPアドレスがホストから見たデフォルトゲートウェイになります。従って正解はa、dです。

ルーテッドポート

 レイヤ3スイッチは、仮想インターフェイスだけでなく、物理インターフェイスにIPアドレスを設定することもできます。ルーテッドポートはレイヤ3パケットを処理できる物理スイッチポートです。ルーテッドポートは、アクセスポートまたはSVIのように、特別なVLANに関連づけられることはありません。ルータのインターフェイスのように扱えます。IPアドレスやルーティングプロトコルを設定できるのです。

 ルーテッドポートを使うには以下の通りに設定します。

<ルーティングを有効化>
Switch(config)#ip routing
<ルーテッドポートの作成>
Switch(config)#interface interface-id
Switch(config-if)#no switchport
Switch(config-if)#ip address address subnetmask →デフォルトのswitchport(L2ポート)をno switchport(L3ポート)に変換する必要があります。
<ルーティングテーブル確認>
Switch#show ip route

確認問題3

  • 問題

ルーテッドポートの特徴について適切な説明を1つ選択しなさい。

a.ルータのインターフェイスの呼び方である
b.レイヤ3パケット処理ができるスイッチの物理スイッチポートである
c.ルーテッドポートはVLANと関連づけられる
d.switchportコマンドでルーテッドポートを構成できる

  • 正解

 b

  • 解説

 ルーテッドポートはレイヤ3パケットを処理できる物理スイッチポートです。SVIのように、特別なVLANに関連づけられることはありません。ルータのインターフェイスのように扱えます。使用するときは、no switchportコマンドでL3ポートに設定する必要があります。従って正解はbです。

筆者紹介

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部

齋藤理恵(さいとうりえ)

Cisco認定トレーナー。トレーナー歴は11年。マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズなどIT業界でトレーナーとして活動。現在は、グローバル ナレッジ ネットワークで、Cisco認定トレーニングコース(CCNA、CCNP)、ネットワーク系オリジナルコースを中心に講師を担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら



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