GPT形式でインストールされたディスクの構成を次に示しておく。従来のMBR形式と少し異なっていることが分かるだろう。
先頭に「EFI システム パーティション」という100Mbytesのパーティションがあるが、これはGPT形式のディスクにおいて、ブート・コードを保存しておく場所である。実際にはFAT32ファイル・システムになっており、そのルートには\efiというフォルダが1つある。先ほどインストールDVDの内容を示したが、その\efiフォルダと同じものであり、同一システム上にある各パーティションの情報やインストールされているOSのタイプ、起動方法などの情報が保存されている。
次の画面は、同じディスクをdiskpartコマンドで見たところである。ディスク管理ツールには表示されていなかったが(GPT形式のときは表示されない)、2番目のパーティションは128Mbytesの「予約」パーティションとなっている。これは従来のMBR形式のディスクでは、「システムで予約済み」と表示されているパーティションである。「MSR(Microsoftシステム予約パーティション)」ともいい、サイズは100Mbytesかそれ以上である(システムによって変わる)。予約パーティションは、BitLocker暗号化やシステムの回復ツールなどが作業用として利用する隠しパーティションである。
なおGPT形式のディスクには、従来のMBR形式のディスクにあったような「アクティブ・パーティション」というパーティション属性はない。EFIシステム・パーティション内に保存されているブート・メニューなどがどのパーティションからでもプログラムをロードし、起動できるようになっている。アクティブ・パーティション属性を付け忘れて起動できなくなるといった、(今となっては意味不明な)エラーなどが起こりにくくなっている。
次はブート・メニューを見てみよう。bcdeditコマンドを利用すると、現在のブート設定が確認できるが(TIPS「bcdeditでVista/Windows Server 2008のブートOSメニューを変更する」参照)、UEFIブート環境ではwinload.exeに変わって、EFIシステム・パーティションに格納されたbootmgfw.efiというUEFIプログラムが実行される。このように、従来とはまったく異なるブート環境となっている。
ところでこのブート情報を見ると分かるように、GPT形式でインストールされたWindows OSは、インストール後も常にUEFI環境を利用している。もしインストール後にUEFI機能をオフにしてしまうと、システムが起動しなくなる。例えば次は、UEFIを無効にして起動してみたところだ。ブートするべき対象が見つからないので、エラーとなっている。
UEFIモードで64bit版のWindows OSをインストールすると、ディスクはGPT形式になるし、ブート・コードもUEFIコードになる。同じディスク上に、パーティションを切って、UEFIモードでさらに64bit版Windows OSをインストールすることは可能だし、何の制限もない。
だが、32bit版Windows OSや、UEFIをサポートしていない古いWindows OSをインストールしたい場合は注意が必要である。すでに述べたように、GPT形式とMBR形式は共存できない。そのため、両方の種類のOSを利用したい場合は、異なる2つのディスクに分けてインストールし、BIOSセットアップやブート・メニューなどで起動ディスクを切り替えるようにする必要がある。
今回は2Tbyte超のディスクにWindows OSをインストールする方法を紹介した。これを実現するためには、UEFIをサポートしたシステムが必要なので導入は簡単ではないが、わざわざシステムを買い換えてまでUEFIを用意する必要はないと思われる。2Tbytes超のディスクはデータ用としては現在のWindows OSでそのまま利用できるので、まずはそれで十分活用していただきたい。
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