「朝会」はメンバー全員でかんばんを囲んで行うけど、Backlogsを使うときは、ディスプレイにかんばんを表示しながら行うといいよ。
「朝会」って「デイリースクラム」のことだよね?おねーちゃん、連載第2回で教えてくれたの覚えているよ!昨日やったことの確認とか、今日やることの確認をするんだよね?
そうね、おねーちゃん。昨日やったことの確認の中で、タスクのステータスの変更を、今日やることの確認の中で、残時間の確認とタスクのアサインをするといいよ。
ちなみに、この連載では、すべての作業を電子化された中で行うことにしているけど、アジャイル推進派の人の中には、「紙を使ってかんばん(タスクボード)を運用すべき」っていう人もたくさんいるの。紙でもやってみてね。
担当者の割り当ては、タスクをクリックして、[担当者]を変更することにより行います。
担当者ごとに異なる色でタスクは表示されます。未割り当てのタスクはグレーになっています。未割り当てのタスクは、ドラッグ&ドロップで進行中へ移動することにより、現在ログインしているユーザーに自動的にアサインされます。自主的にタスクを取る場合は、この方法でもできますが、朝会で今日やるタスクは、まとめてアサインするようにした方がいいでしょう。
私のタスクの色は、う●●みたいな黄土色なんだけど。ふぇ〜ん(ToT)。
タスクの色はユーザー作成時に自動的に割り当てられますが、Redmine右上の[個人設定]で個人の設定画面を表示し、[バックログ]の[Task color]でタスクの色を変更できます。
タスクの残時間の入力は、タスクをクリックして残りの時間を変更することにより行えます。
ドラッグ&ドロップで隣のステータスに移動すると、タスクのステータスを変更できます。なお、終了に移動すると、自動的に残り時間が「0」になります。
残り時間の更新は、帰宅前にやっておいて、ステータスの終了への変更は、次の日の朝会で、タスクの実施状況をチームメンバみんなの前で報告し、ステータスを変更するようにするといいかも。チームメンバで報告し、ステータスを変更すると、以下のようなメリットが生まれるの。
リーダーが確認して終了にしがちだけど、スクラムではチーム全員でタスクの状況や達成感を共有し、団結力を強化しましょー。
ちなみに筆者は、1つのタスクが完了したら、拍手などして盛り上げてたみたいだよ。でも人数が多くなると1回1回拍手しているとウザイだけなので注意してね。紙でもRedmineのようなツールでもプロジェクトを盛り上げるっていうのは大事なことだね。
ストーリーに紐付けられたタスクを全部完了し、ストーリーを完了にするには、ストーリーの右上のチケットIDをクリックして、チケット画面で[編集]をクリックし、ステータスを変更します。
かんばんの左上に「スプリント障害事項」っていう、作った覚えがないストーリーが表示されてるんだけど、これは何なの?ひょっとして、スプリントに紛れ込んだ、もう1つのストーリー!?このストーリーには死の色が見える!!怖いよ〜(((;゜Д゜)))。
何を怖がっているのか、よく分からないけど、障害事項(英語では「Impediment」)はプロジェクトを進めていくうえでの障害や妨害になる事項のことで、情報が不足している、顧客が意思決定しない、バグなどが挙げられるわ。課題管理票やバグ票に似ているかもね。スプリントを進める障害があれば、ここを使ってね。
障害事項は、通常のタスクと異なり、ブロック欄があります。ブロック欄には、妨害されるストーリーやタスクのIDをカンマ区切りで入力してください(例「2,3,4」など)。
状況によっては、どのストーリー、タスクにも紐付かない障害事項が出てくるよ。そういう場合は、「その他」という名前のストーリーを作成しておいて、そのストーリーに紐付けるようにするといいよ。
障害事項については、@ryuzeeさんの「Impediments(障害事項)への対応」に詳しく書いてあるから、興味がある人は見てみてね。
ふ〜ん、障害事項ということは、放っておいたらそのスプリントが進まなくなる可能性があるってことね。このストーリーに死の色が見えるというのは、間違いじゃなかったんだね!!
バーンダウンチャートを見るには、かんばん画面の右上にある「バーンダウン」を選択します。表示されたグラフ下の[残り時間][理想時間]にチェックを入れ、そのほかのチェックを外すと、タスクの残り時間のバーンダウンチャートを表示できます。
理想時間は、順調にスプリントが進んだときの見込みの残り時間を表示しています。理想時間の計算からは土日が外されていますが、オプションで含めることもできます。
へぇ〜。土日は働く時間には入っていないんだね。わたしたち高校生は、土日も部活や受験勉強のための塾で忙しいのに、社会人になったら土日は休めるんだね〜。
おねーちゃんって、帰宅部じゃなかったけ?塾も行ってないと思ったけど……。
差し出がましいようですが、ストーリーが途中でちょくちょく追加されるようなプロジェクトでは、[承認されたポイント]にチェックを入れると、ストーリーポイントの増加をグラフで見ることができます。スプリントの途中でストーリーが増えてうまくスプリントが回らない場合は、承認されたポイントをチェックするといいかもしれません。また、ここでは「残り時間」のバーンダウンチャートを利用していますが、「残りストーリーポイント」のバーンダウンチャートも利用できます。
振り返りは、連載第2回で説明したように、KPTなどを使いましょー。振り返りの内容は、プロジェクトの情報やWikiなど目立つところに記述しておくといいよ。
細かい分析をしたい場合、プロジェクト作成時に時間トラッキングをチェックしておくと、チケットのレポート機能と組み合わせて、予定工数と作業時間の乖離を見ることもできます。この機能を利用すると、作業時間を入力する手間は掛かりますが、予想が外れたストーリーやタスクを簡単に確認できるので、次の見積もり精度の向上や、将来のストーリーやタスクの見積もりにつなげられます。
また、チャート機能を利用すると、メンバー別の作業時間も確認できるので、特定のメンバに作業が偏っていないかどうかチェックできます。
Redmineには、時間トラッキングの機能があります。時間トラッキングとは、各タスクのメンバーの作業時間を入力し、作業時間がどのくらいかかったか記録しておく機能です。
時間トラッキングを利用するには、プロジェクトのモジュールの設定で[時間トラッキング]にチェックを入れ、[管理]→[プラグイン]→[Backlogsの設定]で、かんばんのタイムログにチェックを入れます。
かんばんのタイムログを有効にすると、タスクを編集する際に、下記のように作業時間と作業担当者を入力できるようになります。
これでRedmineとBacklogsを利用したスクラム開発の実践について、一通り説明したよ。でも、実際にやってみて自分のチームに合わない部分もあるのと思うから、みんなのチームに合うように変えながらやってみてね。
チームに合うようにかー。いろいろな書籍や記事を読んでいくと、「こうしろ、ああしろ」と書いてあるけど、どうするのが一番いいのかなー?
アジャイル開発で重要なのは、最初に決められた通りにやることではなく、常にチームが良くなるように改善しながら開発を続けていくことです。「どうやって開発するか」「どうやれば今のチームにとってベストか」それは、あなたたちが決めることです。
ここまで来たら、後は実践するだけね。実際にプロジェクトのバックログを作成して、プロジェクトで使ってみてね。百読は一見にしかずよ。がんばってね!!
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